ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

下流社会と機会不平等

新メディアα版(ブロガーズセッション)の第一弾の議論を編集チョ(暫定)としてチェックしながら、最近読んだ「下流社会」とずいぶん以前に読んだ「機会不平等」を思い出しました。

下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)

下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)

機会不平等 (文春文庫)

機会不平等 (文春文庫)

下流社会はサンプル数が少ない(と著者も認めている)ものの、「階層意識」の変化と消費動向、生活、文化が今後どう変化していくかの参考にはなるでしょう。
ちなみに、男性は、1・ヤングエグゼクティブ系、2・ロハス系、3・SPA!系、4・フリーター系、と分かれるそう(人に言わせると、私は思いっきりロハス系らしい)。さらに、分析すると、低階層の若者ほど自分らしさを大切にし、自己能力感があると思っているらしい…

著者は『能力がないのに夢だけ見ていて、いつまでも夢から覚めないのは確かに問題…』『自分らしさ志向が高いことは、自分らしさを持っていることを意味しない』と、まあよく考えれば、当たり前のことを書いてくれています。このあたりはブロガーズセッションで雑観さんが私の言葉を引用してくれていて、『ガ島通信氏が言っている「負け組なのに勝ち組と思っている」=小泉支持層というのがもし実在する仮説だとしたら、幻想が壊れたときの反動はものすごい』という部分と重なるなとか…

そんな階層化する社会でいいのか!と問題を投げかけるのが機会不平等です。