ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

世耕議員、時事通信記者に「お名前は?」

世耕日記11月4日に、首相官邸に行った世耕議員が時事通信の記者に「お名前は?」と聞かれたエピソードが掲載されています。以下抜粋

官邸への入退館の際には官邸番の記者に取り囲まれて「誰に会いに行くんですか」、「総理には会いましたか」、「どんな話でしたか」という質問を矢継ぎ早に浴びせかけられる。今日も同様だったが、いきなり「時事通信ですが、あなたのお名前は?」と聞いてきた記者がいて呆れた。

世耕議員は、閣僚・党幹部級ではありませんが、テレビ出演も多く注目されている議員の一人なのに、官邸のバンキシャはどうやら議員であることも理解していなかった模様。勉強もせず、ただひたすら官邸を出入りする人たちに金魚のフンのようにくっついているだけであることが、「権力側」からバラされる時代。個人(政治家も含む)が気軽にメディアを持つことが出来る時代の恐ろしさでもあり、良さなのかもしれません。

さらに世耕議員は続けます…

私の立場からは内密に出入り出来て好都合だった訳だが、権力の動向を取材する側がそんなことでいいだろうか?そんなことで国民を代表して権力を監視していると胸を張れるのだろうか?基礎的努力をしないまま、何でもかんでもICレコーダーを向けて質問すればそれで取材だと思っているような記者が多いのが現在の政治取材の現状である。

と権力監視のだらしなさを「権力側」に心配までされる始末。トホホ…

与党・自民党の広報本部長代理たる世耕議員にこういうことを書かれてしまうことは恥ずかしいことではないでしょうか。逆に言えば、マスコミが何も変わらないし、何の問題意識も持っていないことを世耕議員に見切られているとも言えます。末期的を通り越していますね。

好意的に見れば(一度しか直接会ったことがないため根拠はほとんどありません)、世耕議員は政治への「緊張感のあるパートナー」を求めているフシがありますが、マスコミはこの体たらくではどうしようもない。だからブロガーやネットに活路を見出そうとしているのかもしれません。ただ、それには、受け皿たるネット世界の言論が未成熟すぎますが…

とりあえず、官邸のバンキシャにはR30さんも寄稿した例の論座を読むことをオススメしておきますが、ブログなど読んでれば世耕議員の顔も分かるだろうから、まあ無意味。そりゃあ「メディアも敗北」(っていうかそもそも勝っていたのか?)するわね。