ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

情報通信学会大会でゼミ生が「Yahoo!ニュースにおける『こたつ記事』の特徴分析」を発表

情報通信学会の第47回学会大会で「Yahoo!ニュースにおける「こたつ」記事の特徴分析」としてゼミ生が研究発表をオンラインで行いました。

フェイクニュースの要因と考えられる「こたつ」記事を見つけられるようになれば、大学生でもフェイクニュースから身を守れるのではないか、という問題意識からヤフーニュースのトップに掲載された621本の記事を対象に分析を行いました。記事の書き方が多様で、実際に現地で取材しているのか、テレビやインターネットの情報をもとに書いているのか、分からないという結果となり、大学生が触れているニュース環境の困難さが浮き彫りとなりました。

 

「風の人を取材して」『地域ではたらく「風の人」という新しい選択』地方出版文化功労賞のゼミ生挨拶

地方出版物を応援する第29回地方出版文化功労賞と第2回島根本大賞のW受賞に輝いた『地域ではたらく『風の人』という新しい選択』(田中輝美、法政大社会学部メディア社会学科藤代裕之研究室)。2016年10月22日に鳥取県米子市立図書館で行われた授賞式でのゼミ生の挨拶です。「とても良かった」と会場でも多くの方から声をかけて頂きました。

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タイトル:風の人を取材して

こんにちは。 藤代ゼミ二期生の坂井友紀と申します。今年の3月に法政大学を卒業し、今は社会人一年目として、営業の仕事をしております。 今回は、執筆直後とこの賞の受賞をきっかけに読みなおしたときの本の印象が全然違うことに衝撃を受けたので、そのことについてお話したいと思います。

まず、今回受賞させていただいた、『地域で働く「風の人」という新しい選択』の内容は、島根県で活躍している8人に私たち藤代ゼミ生と田中輝美さんが取材をし、その人の生い立ちや現在の風の人としての活動について、を綴った本です。 私は、劇団ハタチ族の「西藤将人」さんを取材させてもらいました。

取材の際、西藤さんは手をポケットに入れて歩いちゃうような、偉そうな雰囲気の方でしたが、私の稚拙な質問に対して真剣に考え、自分の当時の想いや考えを一生懸命思い出しながら、真摯に、言葉を紡ぎだしてくれました。

演劇から離れたり復帰したり、フランス料理人になろうとしてやめたり、何度もフェードアウトしても、何度も自分と向き合い、今は、「雲南を演劇テーマパークにしたい」という明確な夢を持って実際に行動に移している西藤さんを私はうらやましく思いました。

そんな西藤さんを含む、8名をゼミ生が取材し、完成したこの本ですが、当時読んだ私は、お疲れ様!という感想で、正直読者としては読めていませんでした。 本の内容よりも、きちんと本が完成したことに対する「良かった」の気持ちの方が大きかったです。実際、この本を作るのはとても大変で、ゼミ生はとてもすり減っていましたし、力を使い果たしてしまった人も多かったです。

私も急遽「風の人」の本の取材、執筆に関わることとなり、急遽というのは、私が当時大学4年生だった時、この風の人の本の作成を進めていたのは3年生だったのですが、西藤さんの記事をかける人がいなくなってしまい、私が応援として関わらせていただくこととなった、という経緯からです。 そんな切羽詰まった環境の前で本を文章を読んでも自分の中に染みてきませんでした。

読者として読めなかった理由としてもう一つあると思っておりまして、私自身、北海道で生まれたものの、本当に生まれただけで、幼稚園時代は宮城県、小学生から今に至るまでは東京で過ごしており、15年以上は東京で育ったためか、地域ということを意識したことがほとんどなく、興味もなかったのです。

地方と東京の違いを初めて感じたのは、大学生になってからで、地方出身の人の方言を聞いたり、環境の違いを聞いたり、「茨城でも、グルメ番組は表参道のパンケーキとか紹介してるんだよ」と言われて驚いたり。ちょっと頑張れば行けるところを紹介しているのがグルメ番組なのだとばっかり思っていたので、驚いたり。地方を意識したことがなかったために、知らないことばかりでした。

じゃあ藤代ゼミに入ったのは地域に興味があったからなのかというと、そういうわけでもなく「大学で充実した生活が送りたい。そのためにきちんとした先生のところで学びたい」という想いからでした。この二つの理由、本の作成に切羽詰まっていたこと、私がほとんど東京育ちであることから、「本が完成してよかった、お疲れ様。」という感想になったのだろうと思います。

ですが、今回受賞にあたり、改めて社会人になって、完全に読者として読むと、通勤中、涙がにじむほど、感動しました。 まだ数か月しか働いてはいませんが、「実際に東京で働いてみて、どうだ。働く場所は東京だけじゃないぞ」 と選択肢を与えられ、 「このままでいいのか?」 と問い直され、飛び出そうか、ともじもじする心を後押しされたような気持ちになりました。

だからと言って、まだ社会人1年目でひょっこりやめるのも癪なのでまだ会社は辞めません。自分の仕事と向き合って、自分自身とも向き合って、チャンスがきたら逃さないために、少しずつ行動力を養っていこうと思います。でも、チャンスは逃しちゃいけない、逃さないための準備を着々としなければいけない、やりたいことはいろんな場所でできるんだと思わされました。

この風の人から「後押し」をされる気持ちは風の人全員に共通する「行動力」から生まれたものだと私は思います。 一歩踏み出し、行動する。風の人たちの生きざまが「背中を押してくれる感覚」をきっと作っています。 私が西藤さんに抱いていたうらやましい、という気持ちも西藤さんが持つ行動力に対してだったんだ、と今なら思います。

この本を読んだ人はきっと、「風の人なんて特別だ」という気持ちではなく、自分も風の人になりたい、なれる、とそう思えるはずです。地域に興味がなくても少し地域に興味がわいてくる、何か漠然とやりたいと思っている人の一歩を後押ししてくれる、まさにのちの自分、今の私、がターゲットとなるような本に関われたことをとてもうれしく思います。

代ゼミ生、藤代先生、田中輝美さん、ありがとうございました。

地域ではたらく「風の人」という新しい選択

地域ではたらく「風の人」という新しい選択

 

 

発想法を学ぶゼミ合宿

9月18-19日にリフレフォーラム(東京都江東区)で発想法を学ぶゼミ合宿を行いました。OGやOBも参加し、コロナで止まっていた学年を越えた交流もようやく復活です。

日本に近づいた台風の影響で蒸し暑く、時々雨が強く降っていましたが、施設の食事も美味しくしっかりと議論に取り組むことができました。

会場には、OGとOBからの差し入れのお菓子。

 

武蔵、上智、成蹊、法政の4ゼミで「調査情報デジタル」合同レビューを行いました

TBSメディア総合研究所が発行している「調査情報デジタル」の合同レビューを、武蔵大学奥村ゼミ、上智大学水島ゼミ、成蹊大学吉見ゼミ、法政大学藤代ゼミで行いました。

きっかけは、TBS総研から「調査情報デジタル」の記事に対する大学生の感想を聞きたいというお話でした。記事を読むだけでもゼミ生の勉強にはなりますが、多面的な視点から、より深く理解してもらおうと、旧知の3方に連絡をして合同レビューとなりました。

各ゼミには事前に「調査情報デジタル」から興味ある記事を読んでもらい、アンケートを参考に「テレビとネット展開」「言葉」「取材方法」などのテーマに分かれて議論してもらいました。

取材手法のグループでは、災害報道について「熊本でも地震被害があったが、見ることが少なくなった。被害の大きさで放送されるのは問題ではないか」「被災者に寄り添うで終わるのではなく、防災意識の向上につながり有意義だと感じてもらう必要があるのでは」などの意見が出ていました。

言葉のグループでは、若者言葉が取り上げられ「否定的に扱っているように見える」「無理に言い換えることなくそのまま使うべき。言葉は生まれては消えていくものでは?」「正しい言葉ではなくても、伝わればいいだと、メディアとしての信頼度を失うのではないか」などの意見が出て、ゼミ生も刺激を受けたようでした。

情報の森を冒険する、新聞博物館の展示リニューアルに協力しました

横浜にある「ニュースパーク(日本新聞博物館)」の常設展示室にある「情報社会と新聞」コーナーのリニューアルに協力しました。2022年3月15日から新しくなっています。フェイクニュースなど玉石混交の情報が溢れる現代社会を「森」と見立て、「盾」「スコープ」「ひかり球」「仲間」の助けを借りながら、新たな情報に出会い視野を広げるというストリー性がある展示になりました。

リニューアルは、新聞博物館の皆さん、中央大学の松田美佐さん、令和メディア研究所・白鴎大学下村健一さん、奈良女子大学附属中学の二田貴広さんと、相談しながら進めてきました。

フェイクニュースは怖いとか、新聞を読もう、といったものにならないように、ギガスクール構想でタブレットを持つことになる小学生の参考になる展示はどういうものか議論を重ねたものです。

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常設展は「新聞のあゆみ」コーナーからスタート。輪転機なども置かれています。

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「新聞のあゆみ」コーナーから「情報社会と新聞」コーナーに向かう通路には、情報の森への冒険をサポートする立て看板が設置されました。

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手前から奥に行くにつれて時代が進み、情報量が加速度的に増える「情報タイムトンネル」をくぐると展示スペースに。

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情報の森で迷わないための展示。メディア・リテラシーで何でも読み解けるというトーンではなく、「まず立ち止まる」を「盾」と表現する工夫をしています。

4月中には来館者向けの「冒険の手引」も完成の予定です。

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同じ場所には新聞協会賞を紹介するパネルもあり、イージス・アショアの配備候補地のずさんな調査を見抜いてスクープにつなげた秋田魁新報社の分度器も飾られています。

「ニュースパーク」は小学生の学びに力を入れており、学校向けの体験プログラムなども用意されています。春休みやゴールデンウィークに出かけて見て下さい。

2021年度ローカルジャーナリズム論の報告冊子「Divercity」が完成しました

2021年度の法政大学社会学部寄付講座・集中講義「ローカルジャーナリズム論」の報告冊子「Divercity」が完成しました。冊子のコンセプトは、いろいろな芽が気になる、です。

昨年度は新型コロナの影響で完全オンラインでしたが、2022年度は二日間のオンライン講義と一日のワークショップを組み合わせて実施しました。ワークショップは、ニュースパーク(日本新聞博物館)の協力を得て横浜のまちを探索し、届けたい面白さを見つけました。

コンセプトの、いろいろな芽が気になる、はゼミ生たちが講義とワークショップを通じて 「今まで気づかなかったものに気づくようになった」 「ローカルに限らず、色々なものが面白く感じられるようになった」という視点の変化を踏まえ。「冊子も、読者にとって視点が変わるような冊子になってほしい」という思いを、芽と捉えたものです。

コンセプトを踏まえ、「密着」「探求」「記録」「率直」の4つのパートに整理しています。

 

 

2021年度の「ローカルジャーナリズム論」は、沖縄タイムス西日本新聞東海テレビ博報堂ケトル (順不同) 4社の寄付により開講しました。2019年度から続けてきた「ローカルジャーナリズム論」は、一区切りとなります。支えて頂いたメディア企業の皆様に改めて感謝を申し上げます。

美作市上山地区でのゼミ生の卒論報告に同行してきました

代ゼミ生が執筆した「地域コミュニケーションとしての移動の可能性   中国地方3地域のフィールド調査から」という卒業論文岡山県美作市上山地区での報告に同行してきました。卒論は、地域交通をテーマに鳥取県岩美町、岡山県西粟倉村、上山地区をフィールドにして運営者、利用者にインタビューを重ねたものです。

卒論の内容は、注目されているMaaS(Mobility as a Service)では移動目的に合わせて便利にアプリを提供したり、オンデマンドバスなどを提供することが行われていますが、目的別に便利さを追求しすぎるのではなく、一方で、コミュニケーションを求める人に対応しすぎるのではなく、余白を持ったゆるやかな設計が必要というものです。

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上山地区では、「みんなの孫プロジェクト」の水柿さんが、ヒアリングに対応いただいた地域の方に声をかけ、ミニ報告会を開催して頂きました。ゼミ生が、高齢者の方にも読めるように文字を大きくしたレジュメを用意し、暮らしにおける移動とコミュニケーションを軸に調査を報告しました。

地域の方が手作りしたお菓子を食べながら、研究に対する質問や感想、調査時の思い出などを話をして、就職に向けて送り出して頂きました。

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なお研究は西粟倉の猪田有弥さんが取りまとめている『ローカル・モビリティ白書』に収録される予定です。

水柿さんについては田中優子総長(当時)とのインタビューがあります。

農村の現場で学んだ"自己決定"の大切さ : 卒業生の声 : HOSEI ONLINE