法政大学社会学部メディア社会学科に「入学」しました
2013年4月付けで法政大学社会学部メディア社会学科の准教授に着任しました。また、関西大学総合情報学部でも特任教授(非常勤)として授業を担当することになりました。
大学を卒業して徳島新聞の記者として働き始めた頃は、自分が研究者になるとは想像できませんでした。未来はどうなるか分からない。だから面白いし、可能性に満ちていると思います。
もちろん不安もあります。研究者としてやっていけるのか、面白く役に立つ授業が提供できるか、毎日寂しくご飯を食べるのは嫌だなあとか(笑)。環境を変えるのは勇気が必要ですが、ご縁を頂いたのでチャレンジする道を選びました。所属は大学になりますが、引き続き、メディアとジャーナリズムの未来を追いかけたいと思います。
ブログに出会い、徳島新聞からNTTレゾナントに転職したのは2005年でした。NTTレゾナントでの約7年は、チャンスをたくさん頂き、幅を広げることができました。gooラボを担当したことでNTT研究所の知性や技術を知ることができ、ビジネスエスノグラフィの取り組みでは知的な刺激に満ちた日々を送りました。東日本大震災の際には、ボランティア情報データベースの構築や大槌みらい新聞の取り組みも後押ししてもらいました。
悔しい思いや反省もありますが、記者としての取材や編集といったスキルだけでなく、ウェブの技術やサービス開発を経験したことで、データジャーナリズムやアントレプレナージャーナリズムをカバーできるようになりました。レゾナントでの経験や人との出会いは、ジャーナリズムにつながっています。振り返ってみれば無駄な事など一つもありませんでした。
大学でも、ソーシャルメディア時代のジャーナリズムを考え、実践し、裾野を広げ、質を高めて行くという取り組みは変わりませんし、ジャーナリストであることも変わりません。地方新聞出身で東京の大学でメディア系を担当している教員は少ないので、地域メディア研究なども進めて行きたいと思っています。
ゼミもスタートします。これまで、日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)学生運営委員との関わりはありましたが、より多くの学生と関わるようになります。不確実な時代を進めるかどうかは、偏差値ではなく、好奇心を持ち続け、クオリティにこだわって最後まで取り組めることが重要になると考えています。いまほど、メディアを学び、実践する面白い時期はありません。日本、世界に通用するジャーナリストやメディア関係者になりたい、と考えている学生の皆さんを待っています。一緒に新しい世界を作って行きましょう。
タイトルに「入学」という言葉を使ったのは、一から学ぶという意味を込めました。法政大学の社会学部は、1952年に私立大学初の社会学部としてスタートした伝統がある学部で、稲増龍夫さん、奥武則さん、藤田真文さん、白田秀彰さんら著名な教員が多く在籍しています。環境を生かして、教育、研究に研鑽していきたいと思います。引き続き、皆様からのご指導をよろしくお願いいたします。
社会学部のある多摩キャンパスは、JR西八王子or京王線めじろ台からバスとやや不便ですが、ぜひ遊びに来てください。