警察情報の検証は十分か?既存メディアのネット規制報道
朝日新聞社ジャーナリスト学校が発行している「Journalism(ジャーナリズム)」7月号に『警察情報の検証は十分か?既存メディアのネット規制報道』を寄稿しました。
日経IT-PLUSでは、昨年春の議員立法が発端となったネット規制の後も、規制とネット企業、既存メディアの報道について書いてきましたが、それらをベースにまとめたものです。
担当者からも「しっかり書いてほしい」と依頼があり、通常2ページが倍の量で掲載してもらえました。寄稿した記事にも書きましたが、自社ウェブサイトにSNSや掲示板といったコミュニティ機能を持たせる新聞社やテレビ局も増えてきており、既存マスメディアにとってもネット規制は他人事ではありません。メディア関係者や研究者が読んでいるJournalismに書くことで、関心が広がってくれればと思います。
ちなみに、7月号はスポーツ・ジャーナリズムの憂鬱が特集。サッカーの世界では有名な元NHKアナウンサーの山本浩さん(法政大学教授)の「スポーツの中央集権化・数値化にテレビ報道はどう向き合うか」は読み応えがありました。
また、元共同通信記者でノンフィクションライターの松瀬学さんは「アメリカのスポーツ記者は何を報じているか」で、イチロー選手はメディア嫌いではなく、メディアにも職業人としてのプロ意識を求めているからではないかと、いくつかのエピソードを紹介した後、アメリカの記者や記事の特徴、日本の記事作成システムの問題に踏み込んでいます。何でもアメリカがいいとは思いませんが、取材相手をリスペクトしているなら原稿はストレート勝負せよ、という問いかけは心に響きました。
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