ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

東大i.schoolの「新聞の未来をつくる」とGoogleとYahoo!Japanの提携についてのレポート2本が「ジャーナリズム」に掲載

朝日新聞社ジャーナリスト学校が発行している「Journalism(ジャーナリズム)」2010年10月号に『ビジネス教育の手法から見えた新たなジャーナリスト教育の方向』と『ヤフーとグーグルの提携で懸念される情報への自由なアクセス』の2本を寄稿しました。

『ビジネス教育の手法から見えた新たなジャーナリスト教育の方向』は、このブログで紹介してきた東京大学のi.school人間中心イノベーション・ワークショップ「新聞の未来をつくる」をまとめたものです。10月号の特集:大学とジャーナリスト教育のひとつとして掲載されました。
内容は、i.schoolの説明、プログラムの内容、取材との共通項、新聞社・新聞業界とイノベーションの関係、ジャーナリスト教育への展開の可能性などです。プログラムを進める中で印象的だった「インタビューにおける「事実」と「解釈」を分ける難しさ」についても触れています。
ヤフーとグーグルの提携で懸念される情報への自由なアクセス』は、検索エンジンの提携の仕組みについて図書館に例えて説明、日本には司書はいるが図書館がない状態の上、GoogleとYahoo!Japanの提携で独占状態となり、比較することが出来なくなると表示されているかどうかも確認が難しいという危険性について述べています。記事は朝日コムで読むことが出来ます。
今月号の特集:大学とジャーナリスト教育には、慶應・上智・早稲田の各大学の教授による座談会「メディアは揺らぎ、学生は変わる 今、大学は何を教えるべきか?」、「就職と研究の両立を目指す 慶應メディアコムの教育内容」、「大学と記者のコラボで調査報道 早大大学院ジャーナリズムコース」、「科学技術コミュニケーターの役割 北大CoSTEPの成果と今後」、ミズーリ大学とポインター・インスティテュートの場合「世界中いつ、どこでも学べる 白熱のオンライン・ジャーナリズム講座」が紹介され、日本の大学におけるジャーナリスト教育の現状が分かるものとなっています。
実践的なものとして、立命館大学の奥村信幸さんによる動画撮影講座も興味深いものがありました。第一回は企画から撮影編で、ウェブサイトのニュースの写真(静止画)を動画に置き換える方法を説明。ビデオカメラの持ち方、組み写真を使ったストーリー展開、映像を制作するときに文章をつくる、アングルを探す、撮影許可などの注意点にも触れられています。

なお、ジャーナリスト教育については、大学生向けのジャーナリスト育成プログラム、スイッチオンPJについて「「Journalism(ジャーナリズム)2009年11月号」に「ジャーナリスト教育の新たな試み 記者と学生の127日間 スイッチオンプロジェクトの実験」を寄稿しています。
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