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ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

藤代ゼミでは野田市で生物多様性に関するシティプロモーション研究に取り組みました

法政大学社会学部藤代裕之研究室では、2015年度に千葉県野田市から依頼を受け「コウノトリをシンボルとした生物多様性に特化したシティプロモーションの研究」に取り組みました。3月末に活動を終えて市に活動報告を行いましたので概要を紹介します。

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調査:コウノトリと生物多様性が結びついてない

野田市からの依頼は、市が立案した生物多様性戦略に基づいて進めている「コウノトリが住めるような自然環境」をアピールしたい、特にソーシャルメディアでの対応を進めたい、というものでした。いきなり大学生の企画を、となりがちなのですが、まずは調査を行い、課題を発見し、分析する必要があります。

ゴールデンウィーク開けから、ゼミの時間などを使い、河井孝仁東海大学教授の『シティプロモーション 地域の魅力を創るしごと 』や論文を先行研究として学び、ネットなどで野田市の概要や歴史、生物多様性の取り組みを調査しました。

その上で、夏休みに清水公園のバンガローに宿泊し、現地の確認や街頭アンケート調査を行いました。野田にはキッコーマンがあり醤油の町として知られ、枝豆の産地としても有名だったり、イメージがばらけている状態でした。

市民は7割がコウノトリの飼育を知っているものの、生物多様性の推進という理由を知っているのは4割にとどまっていました(n-80)。柏・松戸などの周辺市ではコウノトリも知らないが7割(n-85)。市民の情報取得先は、市報が強く、ソーシャルメディアの利用は低調でした。ユーザーローカルの「ソーシャルインサイト」を活用した調査でも、市民の発信は低調ということが裏付けられました。

ゼミ生が注目したのは、コウノトリは市民には知られているが生物多様性と結びついてないということでした。

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提案:コウノトリ凧づくりで学ぶ

秋学期に入り、調査で明らかになった課題を解決するための企画案を検討、市に4案(コウノトリ丼コンテスト、凧揚げ大会、自然展、生物図鑑:野田マスター)を提案し、凧揚げイベントが採用されました。

イベントは小学生を中心に、子ども館でコウノトリ凧を作る際に、ゼミ生が生物多様性について説明を行い、子供を通じて保護者にも関心を広げて、コウノトリと生物多様性を結びつけるという狙いでした。チラシは小学校や保育所、子ども館を通じて配布するだけでなく、駅前やショッピングセンターでも配布し、カバー率を出来るだけ向上させる工夫をしました。

当初の企画案は、コウノトリの絵を描いた手作りの凧をあげるというものでしたが、実施に向けて市役所の方や関係者と話していく中で、子ども館が毎年凧揚げ大会を実施していること、市内にコウノトリの形をした「コウノトリ凧」を作っている団体があること、などが分かってきました。実施に向けた取り組みの中で資産を「発見」、それを「編集」することができました。

教室には201人が、大会は雪で一日順延しましたが144人の参加がありました。 

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課題:低調なソーシャルメディア

低調なソーシャルメディアを盛り上げるためにプレゼントを用意した企画を考え、チラシ配布、子ども館で保護者に声掛け、などの広報を行いましたが、これは低調なままでした。絵になるイベントで、ソーシャルで拡散を狙いましたが、これはうまく行きませんでした。

コウノトリと生物多様性の推進を結びつける事ができる「場」は提案できたものの、ソーシャルメディアの対応は不十分でした。その要因を、野田市は自治会など地域コミュニティが強く、市報が浸透していること、ソーシャルメディア利用への不安があることから、市民への情報伝達にソーシャルメディアを利用する条件が整っていないのではないかとゼミ生は考察しました。

これらの施策と考察を踏まえた上での提案として

  • 凧揚げイベントの市外参加の開放でソーシャルメディアは市外向けに使う
  • イベント会場にブースを設置、コウノトリの飼育施設「コウノトリの里」や周辺市おおたかの森SCやららぽーと柏の葉といったショッピングセンターでの凧作り教室を展開し、子どもを通じて保護者に生物多様性を学んでもらう「場」を増やす
  • 市民向けソーシャルメディア力向上のための教室実施

などにより、シティプロモーションを進めることが出来るとしました。

報告会では、市長から「子供に注目して、お母さんから学びを進める取り組みは良かったが、ソーシャルメディアでの広がりについては対応を考えていかないといけない。我々の課題だ」とのコメントを頂きました。

代ゼミの取り組みをまとめたパンフレット「コウノトリ便」を、自治会や小学校などを通じて市内の皆さんにお届けする予定です。

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取り組みに関して、野田市役所、子ども館、凧の会の皆さん、そして市民の皆さんに大変お世話になりました。

 藤代ゼミでは、一昨年の夏休みの合宿を足利市NPO「コムラボ」の皆さんの協力で行い、ワークショップで冊子「足利のたからさがし」を制作、昨年はローカルジャーナリストの田中輝美さんと『地域ではたらく「風の人」という新しい選択』という本を出版しました。コムラボさんとは地域ライターの養成講座を行うなど関係が続いています。引き続き、地域からの発信者を増やす活動を進めていきたいと思います。

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