ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

少しずつ広がる情報発信の楽しさ 大槌町を初めて訪問してから1年が経過しました

久しぶりに岩手県大槌町を訪問してきました。写真展「大槌の宝箱」(大槌会場)から二ヶ月ぶりです。役場前の「どんりゅう庵」内に移転した大槌みらい新聞の新拠点を見て、現地責任者の松本さんやレポーターの皆さんと話をしてきました。同じタイミングで大槌に来ていた昨年夏のインターンで早稲田大学院ジャーナリズムスクールの藤井君たちが新拠点を訪ねてくれました。

昨年のゴールデンウィークに初めて大槌を訪問してから1年が経過しました。町や地元の皆さんの協力を得て、大槌北小学校の「きらりベース」に拠点を構えたのが7月。松本さんや学生インターンと仮設住宅などをまわってニーズを把握し、8月に大槌みらい新聞の創刊準備号を、9月に新聞を創刊しました。新聞は月に1度、町内全戸に配布(約5000部)しています。3月には「大槌みらい新聞電子版」(日本語版英語版)を出版しました。
活動は、三菱商事復興支援財団の助成、READYFOR?によるクラウドファンディングでの資金調達、Amazonほしいものリスト、サポーターの支援、記者やデザイナーによる制作支援と、多様な取り組みによって支えられてきました。
写真や動画などの情報発信のワークショップは3月末までに80回、約400人の方に参加頂きました。このワークショップが写真展の開催につながりました。

レポーターとして多くの町の方が新聞づくりに関わってくれています。カメラを持ち「フォトジャーナリスト」として大槌を記録したり、ソーシャルメディアを使って交流したり。夕食を食べにいったお寿司屋さんでも、カメラを取り出しての撮影大会…
「情報発信の楽しさを知ってもらう」「情報発信力を高める」という目標に向かって着実に進んでいることも確認できました。拠点を構えて初めて取り組んだワークショップの参加者がゼロだったことを振り返ると、本当に大きな変化です。改めて、活動を支えてくれている皆さんに感謝します。
多くの皆さんにお越し頂いた写真展は、小さな大槌みらい新聞にとって大きな負担でした。いまは少し活動ペースを落としつつ、夏に再び学生インターンを実施したいと考えています。大槌みらい新聞は学生の力によるところが大きいです。

夏のインターン概要は、ゴールデンウィーク明けにはご案内できる予定です。大学関係の皆様、周知のご協力や単位化の手続きなどよろしくお願いいたします。
2013年5月の大槌。城山公園から

2012年5月の大槌。城山公園から

夏には土地のかさ上げが始まるとのことです。