法政大学社会学部藤代裕之研究室では、フェイクニュース研究の一環としてゼミ生が高校生向けのワークショップを開発しています。2024年度からソフトバンクの「産学連携プロジェクト」に参加し、新たに開発した「こたつ記事」を題材にしたワークショップを埼玉県立飯能高校で実施してきました。
取材や確認が不十分な「こたつ記事」はフェイクニュースの要因でもあり、ニュースの信頼性を低下させています。ニュースも玉石混交となっているわけですが、ニュースの出どころを気にする人は45.9%で、気にしないと答えた人のほうが54.1%と多くなっています(メディアに関する全国世論調査・新聞通信調査会)。
ワークショップは、「こたつ記事」を題材にして情報源を確認する大切さを学ぶもので、高校の探究学習などでネット情報を調べるときにも役立つように工夫しています。
枠組みはゼミの4年生が検討し、その4年生と3年生が司会・進行を努めました。
ワークショップには、ソフトバンクの担当者も同行いただき、高校の先生も複数参加してサポートいただきました。
初めて高校で行うテスト的な実施でしたが、授業後のアンケートには「楽しかった」「面白かった」「これからの時代に必要」といった回答があり、手応えを感じました。
飯能高校は、DX加速化推進事業(DX ハイスクール)の指定校とのこと。教室は大型プロジェクタにグループワーク可能なミーティングチェアが用意され、生徒はそれぞれのクロームブックを持つなど、学習環境が整っていることに驚きました。
この取り組みは、JST-RISTEX「ニュース発信者と受信者間における「トラスト」形成プロジェクト(ニューストラスト)」による研究成果の一部です。
- 2023年度は「フェークニュースを身近に感じるワークショップ」がNHK財団の「インフォメーション・ヘルスAWARD 2024」を受賞しています