他者であること周縁に目を向けること、毎日新聞のメディア時評に寄稿しました
先月から毎日新聞に毎週月曜日に掲載されている「新聞時評」(インターネットの状況をからめて書くということで、私が担当するときはタイトルがメディア時評になっています)に寄稿しています。月1で3回の予定、一回目(10月12日付け)は記者クラブ問題を取り上げ、二回目(11月16日付け)は毎日新聞で連載されていた「境界を生きる 性分化疾患」について書きました。見出しは「社会のはざまに目を 記者は寄り添う他者」です。
担当したのは丹野恒一記者。反響があったのは、答えが出ない難しい問題を正面から切り取ったこと、患者視点にフォーカスした感情的なものでなく抑制が効いていたこと、安易な簡潔策を示すことなく考えることを読者に委ねたこと、が理由と考えました。
記事が、勧善懲悪のお涙頂戴(遺影を手にした遺族の写真を掲載して、社会が変わるべきと主張させるなど。世の中は複雑でそう簡単ではない)や記者が思い入れが強すぎて当事者化してしまうと文章に説得力が欠けてしまいます。
ジャーナリストは、対象に寄り添いながらも最終的には他者であるべきと考えています。取材することで当事者性を帯びざる得ませんが、個人的にも書く際はなるべく距離を置くように努力しています。また、社会の問題は制度のはざまや周縁で起きるので、それに目を向ける必要があることを指摘したことも、見出しに取って頂きました。
うれしかったことは「ウェブサイトでは既に掲載が終了しており、多くの人に読んでほしいだけに残念」と書いたところ、当面毎日JPに再掲載が決まったことです。心打つ連載ですので、よろしければ読んでみてください。
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