ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

脱線事故から1カ月です

JR西日本福知山線の脱線事故から1カ月が経ちました。犠牲者の方のご冥福と負傷者の方の一日も早い回復をお祈りしています。中国問題や監禁事件、価格ドットコム閉鎖など、日々新しいニュースが生まれる中、ずいぶん扱いも小さくなったように思います。忘れるということが悪いわけではありません。


悲しいこと、傷ついたこと、人はすべての記憶を背負って生きていくことはできないと思います。それでもなんとか記憶にとどめようとするのは、事故の教訓を次代に生かすためではないでしょうか。

事故はマスコミについても考えるきっかけを与えてくれました。ガ島の読者と日経BPのHPの読者は、ずいぶん年齢層が異なっているようです。改めて、日経BPでの連載の題と簡単な内容を紹介しておきます。よろしければごらんください。

「事件・事故報道で今一度考えたいメディアの責任と体質(上)」

「ゴルフ」「宴会」と列車の安全運行からかけ離れたJR西日本バッシング。マスコミのレッテル張り報道とニュース「消費」への疑問を書いています。


「事件・事故報道で… (中)」

事故で話題となったハインリッヒの法則はマスコミの報道にも当てはまるのではないかと考えました。誤報を軽視し、不確かな当局発情報に頼り切るが故に、何度も誤報を繰り返し、人を傷つけてきたのではないでしょうか。

「事件・事故報道で… (下)」
罵倒記者とそれを変と思わない(いやブーストする)「ジャーナリズム」の実態。変わらないマスコミは、記者だけの責任でなく、デスク、社、業界全体に広がる横並びと保身が原因です。(日経BP読者の方から文中の間違いを指摘いただきました。ありがとうございます)

連載の参考文献「クライマーズ・ハイ」、「誤報―新聞報道の死角」、「支店長はなぜ死んだか」。

組織を変えるには、マスコミ内部の一人ひとりが小さな一歩を踏み出すことしかありません。このブログは、そういう人を応援したりサポートできるようなものでありたいと思っています。