ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

メディアの仕事は面白い!大学生に読んでもらいたい月刊「Journalism」就職特集号

朝日新聞社ジャーナリスト学校が発行している月刊誌「Journalism(ジャーナリズム)」2018年2月号」は、恒例のメディア・ジャーナリスト向けの就職特集。座談会「メディアを目指す若者のための座談会」の司会を担当しました。

Journalism(ジャーナリズム)2018年 2月号

  昨年は、上智大学の水島宏明さんが各社にメディアの新たな取り組みや採用方針を聞くという内容でしたが、採用パンフレットのような会社説明的になり、司会も四苦八苦という感じでした。そこで、今年はガラッと方針を変えたいと相談を受け(「Journalism」誌はアドバイザーを務めています)、1980年代生まれの勢いがある皆さんに個人として発言してもらい、メディアって面白いぞ!というメッセージを伝える企画を岡田力編集長にお願いして作って頂きました。

座談会の出席者は、元毎日新聞でBuzzFeedJapanの記者で著書『リスクと生きる、死者と生きる』(いい本です!)が高く評価されている石戸諭さん、NHKスペシャル「AIに聞いてみた」などを手がける神原一光さん、大阪地検特捜部の証拠改ざん事件で新聞協会賞を受賞している朝日新聞記者の野上英文さん、沖縄タイムス記者で「沖縄戦デジタルアーカイブ」などを手がけて首都大学東京の大学院で学ぶ與那覇里子さん、の4人。

マスメディアは、斜陽産業であることが明確になり、メディアに面白い人が来なくなったと人事の方から聞くことも多くなりました。

2015年にこんな記事を書いたことがあるのですが、依然として学生にとってのメディアのイメージは「バラエティや女子アナといった華やかさ」にあります。そうではなく、社会の課題を捉え、世に問う仕事の面白さを伝えられないかというのが問題意識でした。

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座談会では、「マスゴミ」と揶揄されることもあるなかで、なぜ楽しそうに仕事ができるのか、仕事の意義について、率直に話し合ってもらいました。石戸さんの仕事は「ソロとパーティ」という発言から、メンターの見つけ方に広がり、上司と転職、ネットとマスメディアどっちに就職したほうがいい?、など、働くことと組織との関係についても多くの行数が割かれています。

この他にも、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんによる「写真は直接命を救えない、でも伝えられる」、産経新聞からニコニコ動画などを経て、弁護士ドットコムニュース記者の猪谷千香さんの「女子の壁を突き破ろうといつの間にやらネットの記者へ」、朝日新聞ニューヨーク支局員の金成隆一さんによる「記者17年目のルポ・トランプ王国」、ヤフーのエンジニアから石巻日日新聞の記者と石森洋史さんによる「ヤフーの技術者から地域誌記者へ」などの寄稿も大充実で、改めてメディアの仕事は面白いな!と思える特集号になっています。

マスメディアに単に憧れている人も、マスメディアにこれまで興味がなかった人にも、ぜひ読んでもらいたい特集号はAmazonで購入できます!(9日発売、予約受け付け中)→「Journalism(ジャーナリズム)」2018年2月号 

なお座談会当日、與那覇さんが1時間以上の遅刻という大物っぷりを発揮し、冒頭から疲れムードが漂ったものの、個性豊かなメンバーのぶつかり合いで、疲れを見せる編集部の皆さんを横目に2時間以上の盛り上がりとなり、「イベントをやろう」ということになり、3月12日(月曜)に座談会出席者によるイベントが行われます。

Journalism(ジャーナリズム)2018年 2月号

Journalism(ジャーナリズム)2018年 2月号