ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalist)を立ち上げます

2009年に大学生・大学院生向けのジャーナリスト育成プログラムとしてスタートした「スイッチオンプロジェクト」は、2011年より「日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalist)」と名称を変更して再出発することになりました。センターと名前がついてますが、当面は任意団体として活動し、拠点もありません。少しずつ拡充していきますので、皆様のご支援、ご協力よろしくお願いいたします。
JCEJが考えるジャーナリストは、既存マスメディアやフリー記者だけではなく、NPOや企業、自治体の広報担当、広告やPRに関わる人まで、情報発信する人々と幅広く捉えています。これまで多くの人々に情報発信できるメディアは新聞やテレビといった既存のマスメディアに限られていましたが、ソーシャルメディアの登場で、誰もが情報発信できる時代が到来し、状況は大きく変化しました。一人ひとりがメディアを持ったからこそ、問われる課題、リテラシーを考えていきます。小さな違いのように思われるかもしれませんが、ジャーナリズムではなく、ジャーナリストを選んだ理由は、情報発信する一人ひとりという「個」が主体だからです。
新聞やテレビといった分野ごとに違いもありますが、新たなメディアの登場で変化する中、これまでのやりかたに固執していては前に進みません。取材や調査といった情報収集だけでなく、どのメディアを選ぶのかも、誰に向け、何のために、発信するのかも重要になります。あらゆるメディア、分野での経験を生かし、違いを知り、共通項を探り、新たな表現にチャレンジしていきます。
目指すのは、日本のジャーナリストの裾野を広げ、レベルを高めること。メディアを所有することを目的にするのではなく(これまでの市民メディアでは所有は一つの大きなテーマであった)、マスメディアに対抗するのでもなく、メディア遊びでもありません。個人としてのジャーナリストが、組織や媒体、立場の違いを越えて、表現や自分自身に正面から向き合い、メディアの可能性も怖さも知り、本気で切磋琢磨する。教育と名前はついていますが、何かを教えるのでなく、運営も参加者も学びあう「場」を大事にします。

1月15日19時から趣旨や活動方針(ジャーナリストキャンプ、夏の合宿、エデュケーションフォーラム、島根プロジェクトなど)、協力頂ける皆さまの関わり方について説明する「キックオフ」を行います。確かにメディアはいま大変ですが、ジャーナリスト個人として考えればこんなにエキサイティングな時代はありません。文句を言ったり、悲観したり、シニカルに斜め読みしたり、する人ではなく、変化を楽しみ、ない物を自分でつくる、一生懸命、真正面から。そんな人に「場」づくりに協力してもらえると嬉しいです。キックオフに参加できない方にもプロジェクトやイベントについてネットなどでお知らせしていきます。

日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalist)立ち上げキックオフ
<日時・場所>
1月15日19時(18時30分開場)から、21時30分まで
中央区産業会館第1集会室(東京都中央区東日本橋2-22-4)
<内容>
立ち上げ趣旨、運営方針、2011年に実施する予定のプロジェクト説明、質疑、軽食での懇談など
<呼びかけ人>
磯野彰彦、河井孝仁、田中輝美、細川一成、藤代裕之、学生運営委員一同(委員長・嶋田悠大)
<会費>
1000円
<申し込み>
Facebookのファンページから可能です。当日直接会場にお越し頂いてもかまいません。

なお、JCEJの前身であるスイッチオンPJは、2009年の春から夏にかけて127日間に及ぶジャーナリストやエディター15人と大学生・大学院生41人が記事を作り上げるプログラムを行い、その成果としてgoo ニュースに23本の記事を掲載しました。活動は朝日ジャーナリスト学校が発行する「Journalism 11月号」(2009年)に寄稿した「ジャーナリスト教育の新たな試み 記者と学生の127日間 スイッチオンプロジェクトの実験」にまとまっています。
2010年は社会人向けのジャーナリストキャンプ、大学生と大学院生対象の夏合宿、エデュケーションフォーラムと拡大してきました。昨年のプログラムについて、日本マス・コミュニケーション学会の2010年度春季研究発表会で「インターネット時代のジャーナリスト教育の課題と可能性」というタイトルで発表も行いました。
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