7月30日に岩手県大槌町に報発信・教育拠点「NewsLab♡おおつち」を開設してから1週間が経ちました。アンケート、取材、ソーシャルメディアの発信などの動きをまとめておきます。電気やインターネットがないラボの環境は厳しく、活動していると一日があっという間に過ぎ去って焦ることもありますが、学生チームの頑張りで少しずつ進んでいます。
■被災体験のインタビュー取材
新たに創刊する地域メディア(ウェブ版)のメインコンテンツとして被災体験のインタビューを考えています。取材は、社会人枠として募集している記者が順次担当していく予定ですが、自分でも経験しておこうと取材に出かけました。遊覧船「はまゆり」が民宿の屋根の上にのっていた映像で知られた赤浜地区。津波とその後に起きた火事で地区の住宅が焼けてしまったということです。お話を伺ったのは自宅に隣接した土地にプレハブを建てて暮らしている女性でした。
■学生チームの取り組み
主力として活躍する学生チームが、まず取り組んだのは大槌の町に出て、どのようなメディアに接触しているか、必要な情報は何かを調査することでした。東日本大震災前には、釜石と大槌、山田エリアをカバーしていた夕刊紙「岩手東海新聞」がありましたが、津波で輪転機が被災し廃刊に追い込まれました。まだ調査は集計中ですが、仮設住宅の高齢者を中心に岩手東海新聞を購読していたので、情報が少ないという声がありました。また、ソーシャルメディアはほとんど使われてない状況です。
学生チームの移動手段は自転車です。最初の3日は自転車もなく、商店街の自転車屋さんが閉まっていたこともありレンタルサイクルも借りれず苦労しましたが、支援を頂きなんとか動けるようになりました。強い日差しの中、学生チームは町を回っています。仮設住宅で飲み物を頂いたり、漁師の方に船に乗せて頂いたり、日に日に大槌の方との距離が近づいています。学生チームの動きはJCEJのブログで毎日更新しています。
■復興への動きやイベントの取材
現地に常駐している松本さんは行政の動きや大きめのイベントの取材を担当しています。写真は中高生対象のプログラミング教室の講演に訪れたRubyのまつもとゆきひろさん。Facebookページ(NewsLabOtsuchi)やTwitter(@otsuchinews)も基本的には松本さんが中の人として運用しています。いいね!やフォローよろしくお願いします。
■カメラマンが参加してくれました
社会人枠の初参加はプロカメラマンの門谷優さんです。町の風景や人、甲子園の始球式で捕手を務める大槌高校の野球部員などを撮影してもらいました。学生チームへのカメラ指導も行なってもらいました。引き続き社会人枠の参加者を募集しています。募集概要や申し込みフォームはこちらから。
■ソーシャルメディアの開設
地域の情報を地域内だけでなく、外に向かって新しいつながりを創っていくことがプロジェクトの大きな目標です。まずは、ソーシャルメディアのアカウントを開設しました。Facebookページ、Twitterで、紙の創刊準備号発行と同時にウェブサイトも15日にオープンする予定です。
- Facebookページ(NewsLabOtsuchi) 現在200いいね!写真を中心に町のイベントや活動状況などを随時更新しています。
- Twitter(@otsuchinews) 8月6日開設したばかりです。現在はFacebookページの情報のツイートが主です。
- 日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)のブログ 学生チームの動きを毎日更新しています。
■「NewsLab♡おおつち」の環境
これらの活動の拠点であるラボは電気はデスクランプ一つ。ネット環境もつながったり、つながらなかったりで、会社の方に1ヶ月借りているモバイルルーターが助けになってます。パソコンやカメラは学生が持参しています。きらりベースのスタッフの皆さんのお陰で清潔な環境が維持されていますが、建物には手をいれることができず、電気やネット、さらに網戸もない状況です。改めて何もないところからメディアを作る大変さをかみしめています。
これまでにAmazonのほしいものリストから多くの支援をいただきました。Amazonのマークがついているダンボールが届くたびに支えられていることを実感します。本当に有難うございます。
【お知らせ】
- 8月18日14時から東京豊洲区民館で中間報告とワークショップを行います。参加希望の方はFacebookのイベントに「参加」表明をお願いします
【追記:支援のお願い】
- プロジェクトを継続的なものにするためクラウドファンディングで支援を募ることになりました。津波被害で「沈黙した町」岩手県大槌に地域メディアを創る(READYFOR)。ご支援頂いた方には創刊予定の「大槌みらい新聞」をお送りします。