ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

毎日新聞「Wai Wai」問題、伊地知さんのインタビュー記事に見る皮肉

「Wai Wai」問題は毎日新聞が7月20日に「お詫びと調査結果」を出したものの、沈静化したとは言えないようです。アクセス数が期待できるオリンピックに突入したにもかかわらず依然として毎日JPのトップバナーは自社広告のまま。予想以上に影響が大きいのかもしれません。
メディアもネットを中心に断続的に取り上げています。8月に入って、ジャーナリストの佐々木俊尚さんが、CNETJapanに『毎日新聞社内で何が起きているのか(上)』を掲載。はてなブックマークが1000を超えています。
記事では、電凸(電話突撃)が毎日社内の集計で200社以上になっていることを明らかにしています。まとめwikiには「広告毎日新聞に広告を出していた企業」というコーナーが設けられ、ウェブから本紙のクライアントに抗議が広がり、会社ごとの広告出稿や問い合わせへの対応状況も細かくフォローされるようになっています。

7日には日経ネットマーケティングに【毎日新聞“変態”報道問題】おわびは「若手ねら〜社員」に任せろとのタイトルで、ゼロスタートコミュニケーションズの伊地知晋一さんのインタビューが掲載されました。

記事の終わりごろ、記者が『風の息づかいを感じていれば防げた…?』と聞いているところがあります。その後『事件・事故を起こしてしまった企業のWebサイトは、事後対応の事例として学ぶところが多い』との発言のWebサイトに、JR東日本のトップページがリンクされています。
これは、毎日新聞が2005年12月の特急いなほ脱線転覆事故に関する社説で、『風の息づかいを感じていれば、事前に気配があったはずだ』と運転手に慎重さを求めて、ネット上で話題になった言葉で、かなりの皮肉です。
毎日もトップページにお詫びと調査結果へのリンクを用意しており、これまで不祥事を起こしたマスメディアに比べればよく対応していると思いますが、処分についての報告に「法的措置を取る方針でいる」と書き加えて騒ぎを拡大させたにもかかわらず、またもや検証紙面にネット批判発言を掲載、批判を浴びています。
伊地知さんは『「頭を下げるフリして舌を出している」と受け取られてしまう』と指摘されていますが、何度も失敗するというのは広報対応のミスやネットへの理解が乏しいというレベルではないのかもしれません。

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