ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

「メディア・イノベーションの衝撃」発売&刊行記念イベント

メディア・イノベーションの衝撃―爆発するパーソナル・コンテンツと溶解する新聞型ビジネス
情報ネットワーク法学会のデジタルジャーナリズム研究会での連続討論をまとめたメディア・イノベーションの衝撃―爆発するパーソナル・コンテンツと溶解する新聞型ビジネスが23日に発売されました。

連続討論は昨年5月からスタートし、年明けまで全9回、テーマを変えて毎回4時間以上続きました。参加者の一覧は出版元の日本評論社が作成した「特設ブログ」にありますが、研究者、ジャーナリスト、新聞社の現役記者やテレビ関係者、ブロガー、2ちゃんねるのニュースサイト管理人、など30人以上が関わっています(一覧は本に集録された発言者のみなので実際にはさらに多い)。
これだけ多様な人がインターネットやブログの登場によるメディアやジャーナリズムの変化について議論している研究会はほとんどないでしょうし、従来のメディア観が揺らぎ、メディアの壁が溶けている時代を浮き彫りにするために、様々な視点からの意見が出されています。そして「熱」のある討論が最後まで持続していることが、本を読んでいただければ伝わると思います。

膨大な議事録を、若手を中心とした編集委員が再編集して、研究会の代表である上智大学新聞学科の橋場義之教授による巻頭言とジャーナリスト佐々木俊尚さんによる書き下ろし、コラムを新たに付け加えています。コラムは、それぞれの執筆者が文章表現が豊かな上、自身の経験によるメディア感から独自の視点を展開していて大変面白いものになっています(Parsleyさんの『メディア・イノベーションの衝撃』にコラムを寄稿しました。など参照)。

また、この刊行を記念して30日午後6時30分から上智大学にてシンポジウム「検証:ポピュリズム集合知か ネット選挙の行く末」を行います。

シンポジウムの概要は以下の通りです

ブログやSNS、ポッドキャストや動画共有サイトYouTubeなどの登場により、選挙が大きく変わろうとしています。2005年夏の郵政解散選挙は「ネット選挙」と呼ばれ、ブログとの関係が注目されたきっかけになりました。先ごろ行われた都知事選挙ではYouTube政見放送がアップされ話題になり、アメリカで行われている大統領選挙ではSNSTwitterが重要な役割を果たし、YouTubeを活用した討論会も開かれています。

いまや無視できなくなりつつある選挙とインターネットの関係について、参院選の結果も踏まえつつ、可能性や問題点、新聞・テレビなどの既存メディアとの違いなどについて議論する予定です。

モデレーター(司会)は、上智大学新聞学科橋場義之教授、パネリストは、ジャーナリスト・佐々木俊尚駒澤大学グローバルメディアスタディーズ学部山口浩准教授、そして私です。

【アジェンダ】
・ネット選挙の可能性、問題点
・マスメディアの選挙報道の問題とネットの関係
・広がるマスメディアのネットで上での取り組み
・ネット「世論」の影響力と存在感を増すミドルメディア
・政党のネット活用術と広報戦略
集合知は成立するのか(予測市場、Yahoo!みんなの政治など)
・アメリカのネット選挙と日本の展望
などを予定しています

詳しい内容や会場、申し込みはFPNのサイトにあります
お知らせが直前になりましたが、お時間のある方はご参加いただけると幸いです。