新聞広告が抱える現代的課題
新聞広告×WEBがつくるクロスメディアという特集があったので、久しぶりに「宣伝会議11/15号」を購入。元日経広告研究所の専務理事を務めた森内豊四氏の「新聞広告が抱える現代的課題」と題した寄稿が目を引きました。
かなり辛らつな内容ですが、新聞広告だけでなく新聞社が抱える問題をコンパクトにまとめたもので参考になりました。あまりに的を得ているので、読んでいて、笑えるどころではなく、暗い気持ちになってしまったのですが、前編ということで、後編に「応援メッセージ」が掲載されるのかもしれません。
全文は宣伝会議を読んでいただくとして、気になるキーワードをピックアップしておきます。
- (新聞広告は)長らく業界のリーダーだったことが自ら改革を遂げる意識や努力を怠ってきた
- 専属代理店は新聞社の藩屏だと信じ込み、新聞販売店と広告代理店の区別さえ定かでない経営者もいる
- 新聞社の広告営業は怠慢ではない。折衝や空きスペースの売り込みに日夜奔走している
- クリエイティビティと無縁の状態で、新聞社の広告部員の活躍の場は限られる
- 広告主がなぜ広告を打つのか、人のリストラまでやりながら広告を続ける背景は何かを、新聞人はもっと理解するよう努めなければならない
- アカウント・プランニングとか、コンシューマー・インサイトとか、コンタクト・ポイントなどが議論され、論戦が交わされていることに新聞広告人は気付かないどころか大半はそんな用語さえ知らない
- 新聞人は、自らの不勉強と遅れを痛切に反省すべきである
- 日本語と言う最大の参入障壁に守られたマスコミは、グローバル化を声高に叫びながら、自身はグローバル化とは一番遠いところに逼塞している
- 全体に危機感が希薄であることこそ、新聞の真の危機かもしれない
- いかにして若者を新聞に惹き付けるか、経営陣をはじめ現場の編集人はもっと真剣に取り組む必要がある。記者はそんなことは経営者か営業が考えることだと見向きもしないが、そういう記者の無知、無関心、傲岸がいよいよ新聞の退潮を加速させている
- マス・メディアは言論・報道機関だが、同じ程度にマス・メディアは広告媒体でもある。まずは全社的な意識改革と社内体制の整備が必要だ
こんな爆弾寄稿を読んだ後に、「なぜ、IT業界のパイオニアには新聞愛読者が多いのか」や「アクティブ・コミュニケーターを刺激するクロスメディア時代の新聞広告」をまともに読めと言うほうが、どうかと思ったり…