早稲田大学大学院でインターネットを活用して記事を書く講義を担当します
早稲田大学大学院(ジャーナリズムスクール)で「ニューズルームJ」を受け持つことになりました。ソーシャルメディアやインターネットを活用して、ニュース記事を書くスキルを身につけることを目的に、ネットニュースの特徴や企画の立て方、情報収集、見出しの付け方、記事の反応分析を学ぶ内容になっています。
さすがに最近では「ネットで取材とは何事だ」と怒る編集幹部は少なくなっているでしょうが、海外のジャーナリズムスクールでは、SNSを活用したニュース報道やオンラインビジネスなどの講義が存在しています。日本ではネットメディアやジャーナリズムがどうあるべきか、どのような姿かといった議論がある一方で、既に現場では記者がネットで情報を調べ、ソーシャルメディアでコミュニケーションを行っています。ツイッターやブログのコメントが記事に引用されることも珍しくなくなってきました。
このような実践的な講義がスタートすることに時代の変化を感じますし、担当できる事を嬉しく思います。インタビューや現場取材の重要性は言うまでもありませんが、他のニューズルームで経験豊富な記者の指導が設定されていることもあり、ニューズルームJではネットでどこまで書けるかに挑みます。
授業の到達目標は、記事を1本以上完成させることと、記事を書く過程のなかで、ネットでの情報を探し、確認できるようになること。ソーシャルメディアの特性を知り、利用できるようになること、に設定しています。
授業の各回は下記の通りです。
- ガイダンス(事業内容や評価の説明)
- ネット時代におけるニュースとは何か
- ソーシャルメディアの活用と登録
- ニュースを見つける
- 企画を立てる
- 情報の探し方
- 情報を点検する
- 記事の書き方
- 記事レビュー(1)
- 記事レビュー(2)
- ネットで読まれる見出しづくり
- 記事完成
- 解析ツールの使い方
- 記事の反応や評価を分析する
- 講評
大切なことは他にはない「ニュース」を見つけること、そしていきなり書くのではなく情報を探し、企画を詰めること。これは以前に担当した北海道大学CoSTEPでのライティングでも同じでした。15回で1本は言うほど簡単ではありませんので、後半の講義は執筆指導に変更される可能性もあります。学習院大学でもなるべくインタラクティブかつ実践的に講義を行っていますが、早稲田は大学院で少人数ということで楽しみです。