ガ島通信

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準備会の世話人として出来ることは話し合いの「場」を作ること

Googleがグーグルが急上昇ワードランキングのブログパーツの告知に「PayPerPost(PPP)」を利用していた問題ですが、「GoogleのPPP騒動の何が問題なのか整理してみました」を書いた後、サイバー・バズの規約変更(*正しくは、規約ではなくFAQでした。申し訳ありませんでした)が「ブロガーに指摘され」、Google Japanのページランクが9から5に大幅下落しました。
この問題について、WOMマーケティング協議会(WOMJ)設立準備会の世話人同士でも、週末にかけ、メーリングリスト、チャット、電話で意見交換を行い、次回研究会(2月26日)を「クチコミと広告の境界線はどこなのかペイパーポストから考える」「ブロガーと企業の良好な関係を目指して、どこまで情報開示すべきか」と題して、みんなで考える「場」にすることにしました。

世話人からのメッセージ、研究会の概要、申し込み方法はWOMJ準備会のページにアップされていますのでぜひご覧ください。

ここからは個人としての考えです。
まず、WOMJ準備会は現時点で個別の事象や企業の案件について、そのつどコメントを出す状況にないと考えています。団体化やガイドライン策定に向けて準備をしている段階であり、運営はボランティア、意思決定のプロセスや組織体制も未整備です。運営スタンスについては議論の余地もあるかもしれませんが、フラットに並び、特定のトップを置かない(なので、意思決定に非常に時間がかかるし、まとまった見解も出ない)のはインターネット的であると考えているし、大事にしている点でもあります。
ただ、WOMJ準備会がそのような状況にあるという説明はブログでは書きましたが、十分ではありませんでした。また、サイバー・バズ社のプレスリリースにWOMJ準備会の名前が出た以上、何のアクションも取らないのは「市場の健全な育成を目指す」という目標を掲げた準備会の存立意義が疑われるとも感じていました。世話人にも色々な意見がありましたが、とにかく「場」をつくって前向きに議論しようということになりました。

この騒動の何が問題なのかも改めて書いておきます。
サイバー・バズの規約FAQ変更とGoogleJapanの情報開示のあり方は、企業倫理や広報問題であり(どちらにしても0点)、WOMJ準備会が関わる問題ではないと考えています。問題は、PPPが何か誰も明確に示すことが出来ないことです。

ブログやコメントを見ても「PPPは悪いからサイバー・バズも悪い」というのもあれば、「PPPは別に悪くないサイバー・バズはPPPなんだから認めれば(ただし、サイバー・バズは否定)」というのもあります。
個人的には、PPPはメディアの世界で言うパブ記事(記事広告、企画特集という言葉もある)と同じと理解していますが、今回のサイバー・バズの案件はブログパーツが有料、記事は無料というもののようで、それで「PPPではない」と主張したのでしょう。もし、ブログパーツがお土産だったら、飲食だったら、どうなのでしょう。その場合、どこまで企業とブロガーの関係は明示するべきなのでしょうか(ちなみに「ペイパーポストかどうかが問題ではなく、読者にどう受け止められるかが問題だと思う」と徳力さんは書いていますが。読者が判断するためにどこまで明示すべきかという点もガイドラインはありません。問題意識は同じですがアプローチが違い、このように世話人同士でも食い違いがありますし、それが現状なのだと思います)。

私も「読者が判断できるか」が最も大切と考えていますが、そのためには何らかのガイドライン、基準値がなければ議論はすれ違うばかりでしょう。そもそも、PPPとはクチコミなのか広告なのか、その線引きはどこにあるのか。PPP問題はクチコミとは何かという本質的な問題を含んでいるだけに、騒動を契機にPPPを話し合うのは有益であると考えています。

WOMJ準備会を発足を受けて書いた、クチコミは誰のものか「WOMマーケティング協議会設立準備会」の発足にあたってでは、『クチコミは皆のものだから、WOMJがブロガーやマーケター、クライアント、研究者などがそれぞれの課題や問題を持ち寄って解決するような「場」になっていけばいいと思っています。』と書きました。そういう意味では発足からWOMJ準備会は変わらぬスタンスだと思っています。

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