ガ島通信

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安倍内閣の実績評価と参院選マニフェスト評価

新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)が主催した、「第3回・政権公約マニフェスト)検証大会」を傍聴してきました。マニフェスト型の政策本位の政党政治の実現を目指して、21世紀臨調が実施しているもの。21世紀臨調は評価を行わず、発表の「場」を提供して、経済同友会全国知事会、連合、日本青年会議所、言論NPO、PHP総研、日本総研、チーム・ポリシーウォッチの各団体が、1)安倍内閣の政権実績評価(中間評価)、2)自民、公明、民主各党の参院選に向けた公約の検証について、15分で要約説明を行う(配布資料には詳細な説明があり)というものです。

各団体の説明について可能な限りログを取っておきましたのでアップしておきますが、不完全な部分もあるのでご容赦ください。

◆各団体による採点一覧

団体名 政策運営 政策実績 自民 民主 公明
言論NPO 40 39.35 26.55 27.7 19.5
PHP総合研究所 66 61 62 62 50
日本総合研究所 53 58 53 51 51
構想日本 −(32.2) −(40.4)
チーム・ポリシーウォッチ 70 60 60 30 50
経済同友会 60 65 60 40 35
全国知事会 75 75 65 55 65
日本労働組合総連合会 30 30 45 60 30
日本青年会議所 55 53 65 45 50

(政策運営、政策実績は安倍内閣についての評価。党名があるのが参院選挙のマニフェスト評価。各項目は100点満点。構想日本は、採点法が異なるので表記せず。自民、公明の公約についてはマニフェストの具体度を示す。民主は評価対象外)
◆各党のマニフェスト、政策などへのリンク
自民党 成長を実感に。「美しい国、日本」に向けた155の約束(党のホームページへのリンク、マニフェストはダウンロードする必要あり)
民主党 「ムダづかい」ストップ!「生活」重視−民主党の政策10本柱−重点政策50−民主党「次の内閣」−政権政策の基本方針(政策マグナカルタ)
公明党 マニフェスト2007重点6項目、マニフェスト2007政策集

◆各団体の説明・プレゼン

言論NPO「安倍政権の実績とマニフェスト評価−政治は何を私たちと約束したいのか−」(工藤泰志代表)
マニフェスト評価を行うのは4回目。年明けから評価作業を開始。3000人の有識者にアンケート、関係者のヒアリングを行った。大学生のインターンが多数参加して評価を行った。マニフェストの目標設定、プロセスだけでなく、日本が抱えている課題について、答えを出し、答えについて取り組んでいるかも加味した。詳しい結果は、言論NPOのホームページに講評して、参院選までに書籍として販売する予定。有権者に、可能な限りの判断材料を提供したい。→続きを読む

PHP総合研究所「安倍政権を国民が審判する参院選挙−改革を止めるなの後は美しい国でいいのか?−」(永久寿夫取締役第二研究本部長)
マニフェスト評価は3年になる。定点観測をしており、マニフェスト白書も出している。今回の評価ほど頭を悩ましたものはなかった。前回のマニフェストを出した首相は小泉氏で、安倍政権は選挙を経ていない。前政権のマニフェストを継承しつつ、美しい国とのコンセプトを示したのはいいこだが、新しく出ているものをどう評価するか。 →続きを読む

日本総合研究所「日本の進路を決める2007年参議院選−国民の正しい選択はマニフェストから−」(藤井英彦ビジネス戦略研究センター所長)
安倍政権の実績評価については日本総研の提言からは離れて客観的に進めた。政権公約のサイクル(未着手→構想→検討→成案→法案成立・決定→実施)は27点。マニフェストを受け止めて発展させているかを、政権公約一つ一つについて計算した。→続きを読む

構想日本政権公約とその実績の客観的評価−有権者の視点に立った有権者のための評価−」加藤秀樹代表)
構想日本の発表が一番つまらないと移るのではないか。有権者の視点に立った有権者のための評価を徹底した。構想日本の本業は政策シンクタンク。自民、民主、価値判断するのはおこがましいので排除した。政権公約検証大会なので、安部政権と同じ意見なのかどうかは有権者が判断する。政権公約自体のクオリティ、言ったことをやったかどうかに徹底した。→続きを読む

チーム・ポリシーウォッチ「経済政策の専門家集団から見た政権とマニフェストの評価」岸博幸慶応大学准教授)
チーム・ポリシーウォッチは、竹中平蔵が中心となり、官僚、政治による政策立案の現実を知っている人間が集まり、民間の場からより厳しい批判をしていこうというチーム。私は、竹中平蔵の秘書官を5年半務めた。マニフェストの評価は初めてだが、マニフェストを作る側と評価する側はこんなに気分が違うのかと竹中と話したぐらい。気分が楽だった。研究者が多いので、定性的な評価になってしまったところはあるが、政策の現実経験からはこれくらいが妥当かと思う。→続きを読む

経済同友会安倍政権の実績と新政権公約の評価−評価・検証可能なマニフェスト・サイクルの構築を−」(桜井正光代表幹事)
企業経営ではPDCAを重視している。そのためには、プランが実績を評価できるものになっているか。チェック、アクションを次のプランにどういう風に盛り込むかが重要。その点では、評価しくいマニュフェストだとつくづく感じた。評価しやすい、政策項目自体が測定可能な政策になっているのが大事になる。→続きを読む

全国知事会・政策公約評価特別委員会「安倍内閣の実績と参議院選挙公約の検証−分権・日本へ、確かな選択−」古川康政策公約評価特別委員長、佐賀県知事)
地方分権から光を当てた。ひとつのところからだけが全体像を見ることが出来ないと言われるが、以外によくやっているというのが見えた。安部内閣は独自のマニュフェストを示し、選挙を戦っているわけではないので、05年選挙のマニュフェスト、骨太の方針、総裁選の公約で評価した。→続きを読む

日本労働組合総連合会「各党マニフェストに対する連合の評価−わかりやすいマニフェストの実現に向けて−」(古賀伸明事務局長)
安倍政権は基本的には小泉政権の路線を継承している。市場経済万能主義、財政再建最優先の社会政策によって、さまざまな社会問題が生まれている。格差の二極化、地域の疲弊といった問題への対応が不十分。国民生活がどうなっているか、安倍政権は直視してほしい。→続きを読む

日本青年会議所政権公約マニフェスト)の検証」(石橋秀郎副会頭)
JCは20歳から40歳の若者の集まり。全国の声を集約してマニフェストの検証を行った。次代を担う人たちの視点。安部内閣の「美しい国」「戦後レジームの脱却」というテーマは、長らく我々が取り組もうといして具体的なものがでなかったことを行っているが、郵政議員の復党問題、年金問題という美しくない部分に国民の批判が集中した。子供たちが見ても、本当に美しい国なのかと思う。子供たちに夢を与えるような建設的な議論が必要であろう。→続きを読む