ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

有名ブロガーたちが続々参戦「きっこの日記」問題

耐震強度偽装問題で、「きっこの日記(ブログ)」が注目されています。ARTIFACT=「きっこの日記」がイーホームズで取り上げられるがよくまとまっています。

他にも、R30=メディアについてなんとなくいろいろ切込隊長イーホームズ藤田氏が「きっこのブログ」に情報を寄せた件finalventイーホームズ関連メモ、などの有名ブロガーたちがこの問題に次々と言及しています。

ところで、情報紙「ストレイ・ドッグ」(山岡俊介取材メモ)はずいぶん以前に、「小泉首相の疑惑満載。「きっこの日記」のすごい内容」としてきっこの日記を紹介。そこへ、世界の中心で左右をヲチするノケモノというブログが「ジャーナリストが事情通を見抜く眼力はどれほどか」というエントリーをトラックバックしていました。
(最初は「この盛り上がりが影響したのか、フリージャーナリスト山岡俊介氏にきっこ問題が飛び火」と書いていましたが、TBで指摘されて間違いに気付きました。ご指摘ありがとうございます。あわててエントリを書いていて日付よく見ていなかった… 本当に恥ずかしい)
山岡氏は、あくまで『問題提起のためという観点から、ここに紹介しておく』と但し書しているのですが、厳しい指摘がなされています。

以下抜粋

 『その信憑性に関しては、本紙は確認していない』としても、少なくとも批判的でない文章で情報を紹介する時、オーディエンスはそれを「肯定的な意図に基づく紹介・情報提供」と取るのが普通だろう。一般のオーディエンスが誰も批判的な目線を持っているわけではない。また、そうした能力を持ったオーディエンスを想定しているとしても、結局、オープンな存在であるネット上の文書は、どのような人にも読まれるのである。

 そうしたオーディエンスに、「肯定的な」紹介エントリーが読まれた時、その「紹介した」事実自体が、紹介先情報の信頼性を担保してしまう。この時、オーディエンスに紹介者がどれほどの信頼感を持っているかも、情報の信頼性に影響を与える。…中略…

自分が信じたい情報であれば、検証もなく裏付けも取らないうちから、肯定的にオーディエンスに伝えてしまうのであれば、それはジャーナリズムの発露ではなく、結果的にオーディエンスを「騙す」ための、プロパガンダだ。

つまり、山岡氏に「きっこ問題の裏をとれ」と迫っていたわけですが、それ以降きっこの日記に関する記述はありません(木村建設などのネタはある。見逃していたらごめんなさい)。山岡氏は、以前に「保留」していたきっこの日記の裏を今取るタイミングかもしれません。

ブログの登場によって、プロのジャーナリストの仕事は、よりプロらしく緻密な取材をすることとになると以前から考えていましたが、今回はひとつの転換期になるかもしれません。

Fireside Chatsも、きっこの日記に見る参加型ジャーナリズムで『既存ジャーナリズムには、これらCGMの情報の検証を行って欲しいものだ』と既存メディアによる検証を提案しています。新聞、週刊誌、そして山岡氏はどう答えるのでしょか。

こういうときに「投げ銭取材依頼」みたいなのがあったらいいのではないかと思っています。取材依頼を行う人たちがたくさんいれば、一人が少しずつ出すのでも、ジャーナリストが活動できる資金をまかなうことができるのではないでしょうか。このあたりの仕組みをうまく作ることが出来れば、分散化されたジャーナリズム(と言う言葉は好きではないので編集がいいかな)のかたちも見えてきそうなのですが。。。

注意・個人的にはきっこの日記について、胡散臭いというか、眉唾であるという印象が強い。特に情報統制に飯島秘書官を持ち出すあたり、ベタすぎるな…と。多くのブロガーが指摘しているように、いろいろな情報雑誌などを組み合わせているように思えます。ただし、エントリーを十分に分析できていませんので、今回はブログ界の動きに注目して書いてみました。最終的に「正しい情報」とうのは、誰も担保してはくれないわけで、そういう意味では読者一人ひとりが最終的には判断するしかないのは、言うまでもありません。