どうして「タレント」なのか?
次々と消費されていくニュースの中でどうしても書いておきたいことがありました。それは、島田紳助の呼称問題です。
すでに、ジャーナリズム考現学さんが「容疑者呼称」でまとめて、かつ問題点も書かれています。(以下ジャーナリズム考現学さんからの引用)
呼び捨て:サンケイスポーツ、日刊スポーツ、デイリースポーツ、スポーツ報知、スポーツニッポン。「容疑者」:読売新聞、朝日新聞、日経新聞、毎日新聞、東京新聞、時事通信。「さん」:産経新聞、中京テレビ。「司会者」:朝日放送、TBS。「タレント」:共同通信。「所属タレント」:NHK。
「メンバー」の呼称で世間を騒がせたスマップ事件のときには「有力な芸能事務所に配慮しているのでは?」「特別扱いだ」などの批判が相次ぎましたが、今回も同じような反応が多いようです。そこで少し過去の芸能人がらみの事件を調べてみました。
極楽とんぼが下半身露出(書類送検)「さん」 ウド鈴木が暴行(書類送検の方針)「さん」、田代まさしが盗撮(書類送検も検討)「さん」、そのまんま東が暴行(書類送検)「さん」、となっており、逮捕されずに書類送検のみの場合は「さん」をほぼ使っています。タレント本人ではない場合、例えば田原俊彦のマネージャーが駐車違反身代わりは(書類送検)「マネージャーの男性」。では、芸能界と関係ない場合はどうでしょう。事故現場などの担当者が逮捕されずに書類送検された場合も少し見てみましたが「担当役員」「現場責任者」などで、容疑者を使っていないようです。
共同通信が発行している「記者ハンドブック」の▽事件、事故報道の呼称の部分に『書類送検、略式起訴、起訴猶予は「肩書」または「敬称(さん・氏)」を原則とする』と書いてあります。「タレント」というのは肩書きということになるのでしょうが、○○議員や○○記者ならいざ知らず、○○タレントという言い方はあまり使いません(まだ「司会者」のほうがマシか…)。共同は普通に、「さん」か「氏」を使えばよかったのではないでしょうか。どうして「タレント」を使用したのか良く分からないし、読者に説明もできません。
署名で書く記者の「ニュース日記」さん。もし良かったら教えてもらえませんか?(ちなみに、子どもニュース的「ファルージャの戦い」という記事。あれは、なんだか違う感じがしています。子供にも分かりやすいというのと、言葉遣いがやわらかいというのは別の問題ではないでしょうか…)。
追記(12月6日)私の呼びかけにこたえていただいたのか、どうかは分からないですが、署名で書く記者の「ニュース日記」で編集部の佐々木氏が呼称問題を取り上げています。まだ、途中のようですので、佐々木氏の話を読んでみたいと思います。