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ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

ジャーナリストに「壁」をつくらない、日本ジャーナリスト教育センター設立キックオフ

JCEJ

「日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalist)」の設立キックオフにご参加頂いた皆さんありがとうございました。
設立の趣旨は「日本ジャーナリスト教育センターを立ち上げます」に書いた通りで、組織や媒体の枠を超えてジャーナリストが「個」として切磋琢磨しあう場をつくり、ソーシャルメディアの登場で誰もが情報発信できる時代の新しいジャーナリスト像を模索するためです。
JCEJのミッションは

  • 誰もが情報発信できるソーシャルメディア時代において、発信し、伝え、表現する人々を「ジャーナリスト」をとらえ、必要とされる技術や倫理について、学びあう「場」を提供する
  • 組織や媒体、立場の違いを越えて、表現や自分自身に正面から向き合い、メディアの可能性も怖さも知り、本気で切磋琢磨できる「場」を提供する
  • 新たな時代のジャーナリスト教育、メディアリテラシー教育のあり方を実践的に考えていく

となっています。
ジャーナリストは、既存マスメディアやフリー記者だけではなく、NPOや企業、自治体の広報担当、広告や PRに関わる人まで、情報発信する人々と幅広く捉えています。この理由は、新たなメディアの登場によってコミュニケーションや情報の流通、人と人のつながり方から社会まで、変わろうとしているからです。変化の時代には、これまでのやりかたに固執していては前に進みません。
あらゆるメディア、分野での経験を生かし、違いを知り、共通項を探り、新たな表現にチャレンジなければなりません。もちろんこれは過去の経験を無視するということではありません、違いの中から本質を見つけられる、柔軟さと考え抜く力が求められます。新聞記者の思考停止が話題になっていますが、それは新聞が最も偉いと思い、他の分野の成果を尊敬し、学ぶ事ができないからでしょう(これは大企業、成功した業界に良くあることですが)。
残念なこともありました。キックオフの参加者から「コピーライターは表現者ではない」「PRの人は別」「広告はジャーナリストと違う」といった言葉があったことです。WOMJなどの活動を通じて、表現や伝えることに真摯な広告やPR業界の人にたくさん会いました、信頼される情報、メディアがあるからこそ健全なジャーナリズムが必要だ、と言ってくれる方も多くいました。それに、記者は広告やPRを笑えるのでしょうか。例えば特捜部の思っていることを垂れ流して世論を誘導する社会部、収入が苦しくなる中で記事スタイルのタイアップ記事、さらにはコラムを商品化する新聞社も出始めています。
JCEJは、ジャーナリストという言葉を使っていますが、従来の定義を「」(カギカッコ)に入れ、過去の区分や常識を疑ってみようとしています。そして、新聞社やテレビ局といった組織を変えるものではなく、個としてのジャーナリストの「新しい価値」を作って行きます。
キックオフに参加されたPR会社の人が言ってました「私たちはこういう会合には入れない、仲間はずれだと思ってた。でも、今日思い切って来て良かったです」と。区別し、レッテルを貼るというのは、まさに思考停止であり、そこに学びなどありません。JCEJはジャーナリストに壁を作りません。
キッオフで説明した2011年のプロジェクトは以下の通りです。それぞれのプログラム詳細はまだ決定していません。

  • ジャーナリストキャンプ(春)4月30日、5月1日 社会人向け。若手から中堅向けのプログラム。全国から問題意識を持ったジャーナリストが集まり、伝えることや書くことを見つめ直します。
  • スイッチオンプロジェクト(夏)8月12日-14日 大学生・大学院生向けのジャーナリスト育成プログラム。参加者はグループとなり、社会人の指導を受けながら、取材の基礎と実践を学びます。
  • ジャーナリストエデュケーションフォーラム(秋) 研修やワークショップ、新たなメディアの使い方など、国内外のジャーナリスト教育に関わるさまざまな取り組みを共有します。
  • 島根・飯南町プロジェクト(通期)町の職員や山陰中央新報などの記者と共にワークショップを行い、地域での情報発信について3カ年かけて取り組んでいきます。
  • その他実践活動(随時) 全国各地の団体や研究機関と協力し、表現、取材、ライティングなどのワークショップや講演を行います。

キックオフでは参加者の皆さんに「やりたい事」「思い」を考えてもらい、ポストイットやポラロイドカメラに書き込んでもらいました。「自分とメディアの可能性に挑戦したい」「個を磨きつながる」「ジャーナリズム業界とジャーナリズムを分けて考える」など、Facebookのファンページに掲載していますのでご覧下さい。

今後は、勉強会も実施して行きます。2月は設立記念で連続、3月からは第1金曜と第3土曜を中心に実施する予定です。テーマや内容は、キックオフで出た意見や希望なども参考に検討しています。決まり次第、Facebookのファンページ(JCEJinfo)、学生運営が担当するツイッター(@jcejinfo)などでお知らせして行きます。
JCEJの運営は現在のところボランティで行われていますが、施設の使用料や資料、備品代など運営資金を確保しなければ持続的な活動が行えません。また、各種イベントへの参加だけでなく、広報、パンフレットやHPの制作、ミーティングやイベント会場の確保、PC、カメラなど活動に必要な備品の寄贈もお願いしています。ご協力頂ける方がいればご連絡ください。
キックオフのために仙台からお越し頂いた河北新報の寺島さんからメールが届きました。『ともに歩いて、ともに考えて、ともに悩んで、ともに汗をかき、ともに笑う。それでこそ、志を共有する仲間』。そんな仲間が増え、共に活動できることを楽しみにしています。あらゆる表現者、情報発信者、伝える人に、とって学び会える「場」となるように、これからのJCEJの活動へのご協力をよろしくお願いいたします。
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