ガ島通信

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「堀江メール」は本物かガセネタか。微妙な民主党

ライブドア堀江貴文前社長が自民党の武部勤幹事長の二男に3000万円の送金をするよう指示したメールがあるとか、ないとかで盛り上がっている国会ですが、さきほど、たまたま衆議院予算委員会での集中審議をテレビで見ていました。

質問するのは民主党永田寿康議員(メールを最初に指摘した議員)。以下、一部抜粋します。

永田「ガセネタの根拠はどこにあるのですか」
小泉「武部幹事長から報告を聞いて事実無根だと。メールがどこから出たのか、どの口座振り込んだのか、人を傷つけよう、非難しようとするなら、事実に基づいた根拠を出してほしい」
永田「逃げたいとか、事実がないとか、そういうことで現物の提示をためらっているのではない。ネタ元になっているひとが本当におびえて、苦しい思いをしている。私としては最大限守っていきたい。しかし、委員長、この一方的な攻撃。これは一種の言論フウサイ?(封殺か?)なんです。どのような条件をクリアーしたら真正なものと認められるのか知恵を出してください」
小泉「永田さんね、ちょっと冷静になってくださいね。我々は根拠があるなら見せてくださいと言ってるんですよ。一方的に攻撃を始めたのは永田さんですよ」
委員長「資料の問題は理事会で協議しています」
永田「官房長官もデタラメと考えているのか」
安倍「証拠を見せるべきだと申し上げている。幹事長のご次男を名指しで非難されたが、民間人です。非難で大変な損害をこうむっている。そのことをよく考えて質問すべきですよ。誰もがこれだったら永田さんが言っていることが正しいという証拠をだしてほしい」

自民党から説得されてどうするんでしょう。自民と公明は、永田議員に対する懲罰動議も提出。やたら冷静な答弁をする小泉首相、東京地検の伊藤次席検事による「メールの存在及び指摘された事実関係について、当庁では全く把握していない」とのコメント、堀江前社長も否定。「否定」が揃っていて気味が悪いですが、民主の歯切れの悪さも微妙すぎる。あのメール、まさか民主党が「釣られた」んではないんでしょうね…

きっこ=馬淵共闘といい、民主党大丈夫なんでしょうか(これもきっこの仕業ということになっているのであれば笑えるが)。

ちなみにそのメールの内容はこんな感じだそうです(民主党によるメールのコピー、○は塗りつぶされているところ)

シークレット・至急扱いで処理して欲しいんだけど、おそくても31日
できれば29日までに○さん宛てに3000万円を振り込むように手配してください(前回、振り込んだ口座と同じでOK)。
項目は、選挙コンサルティング費で処理してね。

○○○○、宮内の指示を仰いで。○○には、こちらからも伝えておくので心配しないで。

○堀江

永田議員の質疑に関心のある方は、衆議院TVで。

Danさんによるエントリー「堀江メール」の真贋鑑定

追記 民主党の野田国対委員長が会見したそうですが、X−Senderなどの項目は最初から塗りつぶされていたそうです(時事通信より)

永田寿康衆院議員が情報提供者側からメールの提供を受けた段階で、既に送信者の本来のアドレスを示す「X−Sender」などの項目が塗りつぶされていたことを明らかにした。しかし、野田氏は堀江被告本人が送信したメールとの「真実性を感じた」

この問題は本来、堀江前社長からの3000万円が武部幹事長の次男に振り込まれたのか(振り込んでという指令をして、その後振り込まれなかったということもあるだろう)ということなのですが、メールの真偽に争点がすりかえられています。自民党の返しがうまいというのではなく、民主党の攻め方があまりに稚拙だったと見るべきでしょう。