ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

「ジャーナリストキャンプ2010」の報告、感想を書いたブログ記事を集めてみました

スイッチオンプロジェクトによる「ジャーナリストキャンプ2010 -伝えるためのスキルを学ぶ-」の参加者によるブログ記事をまとめておきます。
キャンプに参加した学生運営委員のブログ、大まかな概要と参加した学生4人の感想。

寝る間も惜しんで「伝える」ことに真摯に向き合った二日間。
盛り沢山のプログラムでハードスケジュールでしたが、キャンプ終了時には「早速、実践していきたい」「楽しかった」「地方開催を!」という声が参加者からあがりました。

「マスメディアはマスに発信するから読者を限定してはならない」こういう言葉を新聞社の方から聞いて、ショックをうけた。
言葉は人を生かしも殺しもする。読者を意識しないということは、自分の言葉が誰にどういう影響を与えているかに無関心ということだ。気づかずに人を殺してしまうこともあるかもしれない。記者の日常は記事をつくることに追われ、読者をいちいち意識するのはたいへんだろう。けれど、「伝える」を仕事にしている人から聞きたくない言葉だった…

北海道からの参加者、ブログ「L'Appréciation sentimentale」では、キャンプで何度も考えた、目的や読者について感想が書かれています。

長いようで実に短い時間の間におびただしい内容が凝縮されていたため、脳の整理が追いつくのにかなり時間がかかる。書くことの「目的」と「ターゲット」を意識することがいかに重要なことか、イヤというほど刷り込まれたように思える。この学びは血となり肉となって、自分の作品として少しずつ具現化していくことになるのだろう。
プロのジャーナリストといえども、なかなか改めて「書く」と言うことについて考える機会を持つことはそうないようだ。みな「習うより慣れよ」で試行錯誤しながら技術を磨いていくしかないのだろうか。そのような現状で少しでも意識を高めていく連帯感みたいなものがあった。

インターネット上のコミュニケーションを研究している小笠原さんのブログ「しぇんはうの引き出し」では、事前課題についてどのように作成したかプロセスが詳細に説明されています。

社会的、経済的、業界・会社的に記者が(さらには読者が)興味を持ってくれそうなネタを、素人にもわかるように、かつ手短に、インパクトのある見せ方で示せと。
言うのは簡単ですが、実際に資料を作るとなると・・・なかなか、いや非常に難しい。本日12時締め切りのところ、11時59分に提出というすべり込みでした(汗)。

小笠原さんだけでなく、参加者の多くがこの事前課題に苦しんだようでした。
お題は『株式会社ニワンゴの広報担当者になったつもりで、「ニコニコ動画」を新聞記事に取り上げてもらうための資料をA4サイズ1枚で作成せよ』でした。特別ゲストはドワンゴ川上量生会長でしたが、課題提出時点では発表されておらず、課題をさぼってニコニコ動画を調べていないと、当日ワークショップで苦しむことになるという仕組みでした。
追記 小笠原さんがその1から最終回まで、4回にわたってキャンプの模様をアップしています。

興味深い話をうかがっているうちに、頭の中では どのような切り口でこのネタを取り上げようか・・・、どのようなストーリーで組み立てるといいだろうか・・・タイトルは・・・と、どんどん先走っていたのでした。
そこで、自分の記事の組み立てに必要なパーツを質問する。取材対象自身の考えはおかまいなしに。…

このキャンプでは、新たな視点やアイディアも有益でしたが「当たり前」 を実践することの難しさや、「記事を書くこと」 の恐ろしさを実際に体験できたことも、劣らず大きな収穫でした。

【関連エントリー】