ガ島通信

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警視庁による書き込み削除要請、EMAが「事実確認されず」と発表

ミクシィやグリー、モバゲータウンといったSNSサイトを運営する6社に対して警視庁が「異例」の削除要請を行い、サイトによってはコミュニティーが削除されたとの報道について、モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)がプレスリリース「EMAの対応に関する経過のご報告」を出しました。

当該報道発表でお伝えしましたとおり、EMA審査・運用監視室から本認定制度による認定サイト運営事業者に対しヒアリングおよび書面による事実確認等を実施しました。また、警視庁に対しても事実確認を行い、現在も継続的に意見交換をしております。
上記の結果、「不健全な出会いにつながる書き込みと判断したため」警視庁が削除要請をしたとの一部報道に関して、かかる事実は確認されませんでした

この削除の問題を書いた日経IT-PLUSの記事『マスメディアのSNS削除要請報道こそ「不健全」でないか』の取材でも、各社広報は「警察の要請によるものではなく、自主的なもの」とのスタンスでした。EMAのリリースによると警視庁にも事実確認をしたと記されています。
読売新聞は「人気の『健全』携帯サイト、実際は『不健全』で大量削除」と見出しで

削除要請を受けた6社のうち4社のサイトは、携帯サイト業界などで作る審査機関「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)」から「健全サイト」として認定され、フィルタリング(閲覧制限)対象から除外されている。認定サイトが児童買春の温床になりかねないと判断された形で、今後、審査のあり方も問われそうだ。

と報道、EMAの審査のあり方に疑問を投げかける内容になっていましたが、そもそも「不健全な出会いにつながる書き込みと判断した」ことによる警視庁による削除要請がなかったとすると前提が崩れることになります。
当事者から記事の内容を否定するリリースが出たわけですから、何らかの対応が求められるところですが、これまでのケースから言っても検証は期待できないでしょう。下手をすれば記事にすることなく「なかったこと」にするかもしれません。
どの社がこのリリースを書き、どの社が書かないのか、興味深いところです。
とここまで書いてきて、ふと産経MSNを見たらサーバー管理者に閲覧禁止措置要請へ/警視庁、子供の閲覧防止求めとの記事が掲載されていました。記事は削除要請を「あったこと」と前提にして、さらにサイトの問題を指摘するもの。なんともタイミングがいいような…
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