ガ島通信

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GoogleのPPP騒動の何が問題なのか整理してみました

Googleがグーグルが急上昇ワードランキングのブログパーツの告知に「PayPerPost」を利用してたことが話題になっています(概要はTechCrunchCNETJapanの記事参照)。多くのブロガーがエントリーをアップしていますが、いくつかの問題が絡み合っているように思えるので整理してみました。
Googleの問題】

【PPPの問題】

  • PPPはすべてダメなのか、PPPを認めるがPR会社やブロガーにおける報酬の開示方法が問題なのか(ガイドラインの不在)

【CyberBuzzの問題】

  • 「CyberBuzzさんの案件に参加中」とブログに書いているが、これで十分なのか(ガイドラインの問題に関係)

【参加しているブロガーの問題】

  • CyberBuzzの指示を守っているか。そのブロガーのPPPへのポリシーはどうなのか。

足りない部分もあるとは思いますが、大きく分けるとこの4つぐらいになるのではないでしょうか。Googleの企業姿勢とPPPをごっちゃにして議論すると何が問題なのか見えなくなる気がしています。

まずGoogleの企業姿勢は、はっきりと問題があると言えます。森健さんが「森グーグル流ビジネス・崇高な理念に隠れた欺瞞」で『他人の情報は事業にし、お金にする。だが自分がそうされるのは嫌』と書かれているように、PPPを否定しながら自社プロモーションでPPPを利用するのは、警察が不正に手を染めるようなもので、非難されても仕方がありません。

もうひとつは、PPPとそれに関わるPR会社やブロガーの問題。こちらは、どのようなPPPのあり方を考えているかによってかみ合わないケースも出そうです。
仮にPPPを認めたとすれば、重要なポイントは「読者がPPPだと理解できるか」になりますが、どこまで明示すれば読者が分かるのかと議論をし始めると… 業界として明確なガイドラインがない以上、クライアントから微妙なキャンペーンの実施を求められた場合に断り難く(断る理由がみつからない)現場レベルで悩んでいるという話も聞きます。

世話人を務めているWOMJでは、来年度にガイドライン策定を行う予定にしています。この騒動を契機に、PPPなどクチコミプロモーションのあり方に関する議論が深まるよう、前向きな議論を心がけて行きたいと思います。

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