ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

「インターネットと選挙」勉強会に参加した

FPNの「RTC」という勉強会に参加してきました。じんさんちょうさん、声をかけていただいてありがとうございました。お題は「インターネットと選挙」でした。簡単なメモを作っておいて、あとは適当にしゃべってしまったのですが(貴重な時間を割いて参加していただいた皆さんスイマセン)、メモはこんな感じでした(少し書き加えました)。

◆根本問題として:ネット「世論」はあるのか?
ひとつは、テクノラティなど、ブログ上のキーワードを可視化できるシステムができたことにより、マスコミがネット「世論」を書く指標ができた。『○日には郵政民営化について書いたブログが○個だったが、いまは増えている』といった数字を入れることによって「ネット世論が盛り上がっている」と書けるようになった。もうひとつは、自民党とブロガーの懇談会や世耕議員の「ネットは無視できない存在」という発言。これらにより、マスコミが「ブログ・ネット選挙」と注目するようになった。
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・既存のメディア、権力による権威付け。話題を作り出しているだけ。
・ネット→マスコミ→ネット 循環=ネットユーザーの拡大により、話題を循環させることができるようになった。
・ネットの(準)マスメディア化が進行か=ブログの二層レイヤー化。発信するブログと反射する(受身)ブログ。

◆ネット「世論」は、選挙結果に影響を与えたのか
これに関しては明確な指標がないので、いまのところ、影響を与えたとは書けないのではないか。自民党が大勝すれば、そのひとつの要因として取り上げられるか、若者・20〜30歳の投票率が5ポイント以上あがるなど、普通の理由では説明できない場合「ブログや掲示板でのネット世論」に結果を求める可能性はある。「ネット世論は選挙結果や投票に影響を与えたと思うか?」などの項目でアンケートを実施することで、無理やり可視化するかもしれない。

いずれにせよ、結局は虚像。そもそも、マスコミの話題づくりが虚像だから、それはそれでありか。実際(実際って何だ?)、影響力があろうと、なかろうと、マスコミが「ある」と言えばあるし、「ない」と言えばない。


◆「自爆炎上モデル」
ネットと選挙に無理やりこじつけて説明。この話が一番盛り上がったという説もありますが… ある種主流ではない人たち、安っちーTシャツを着たりだとか、ワンフレーズで実現不可能っぽい(10年ぐらい前にはそうだった)ことを言いまくって、最初は周囲から変人扱い、嘲笑されながらも、知らない間に有名になっているというのはなぜか?

まじめにこつこつやる→話題づくりにつぐ話題づくりで自ら炎上して、拡大する=パラダイムがシフトしている。

自爆炎上するには、やや恥ずかしく、見ちゃーおれんと思ってしまう人、になりきれるかどうかが重要。せっかく寝ぐせがついているのだから、毎回寝ぐせをつけるぐらいじゃないとダメ。まじめなことを語っても、心に響かなくなっている。

ただ、このモデルは長く続かないかもしれない。ポスト小泉が自爆炎上モデルになるか不明。山本議員や世耕議員は自爆型に見えるが、鉄砲玉に終わってしまうかも知れぬ。ブログでは「ブログが終わった」と書いたころまでに、それが終わったのではないか。など、など

*注意* ちなみに自爆炎上モデルは、直感的な思いつき「モデル」なのでロジックはほとんどありません。


事前の告知で『特にガ島通信・藤代さんとリアルでディスカッションする機会はなかなかないと思いますので…』と書かれていたのですが、そんな絶滅危惧種みたいなのでも、ないんですが…

勉強会には、さまざまな業界の方が来ていて刺激を受けました。稚拙な話を聞いていただいてありがとうございました。少しの方としか名刺交換できなかったのが残念です。参加者の方で、お話できなかった方は、ミクシィ上などで探して声をおかけください。また、リアルディスカッションしましょう。