ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

ライブドア&フジテレビに隠れたニュース

サマワ取材受け入れ中止。新聞、テレビ各社がライブドアとフジテレビを大きく報道しているさなかに、重要なニュースがひっそりと流れています。陸上自衛隊が活動しているイラク南部サマワへの取材団「ご一行様」の受け入れが、『現地での不測の事態を排除できない』との理由で中止となったとのこと。防衛庁のお墨付きがなければ取材できないのでしょうか? それに、そもそもサマワは「非戦闘地域」であるはず。どこにいても「不測の事態」など起きるわけで… 「ネットには一次情報がない」とか「便所の落書きだ」と批判しながら、ジャーナリズムの重要性を声高に主張していた組織ジャーナリストの皆さん。読者のために、サマワから一次情報を発信してください。誰も現地にいないのに社説やコラムでイラクについて書くのは、私のようなブログと同じなんですけど…。よろしく!(といってもこのブログ業界関係者あまり見てないらしい…)

ライブドアとフジテレビに関しては。中途半端な「破壊」で終わったものの、メディア界に議論を起こしたという意味で堀江社長を評価します。「痛み分け」などと書いている新聞もありますが、勝ち負けで言えばフジが負けでしょう(リーマンと村上ファンドは勝ち)。ライブドアとしては「フジが取れるならフジを。取れなければお金」という選択肢が最初からあった。私は「ライブドアはフジサンケイグループになります」(ある意味現実になったので笑った)で、『壮大なフィッシング詐欺の可能性もある』と書いています。ニッポン放送株を使って、さらなる資金を手に入れたのはライブにとっては「悪くない」結果でしょう。業務提携については、何度も指摘していますがPJを見てもメディアへのビジョンは堀江社長にはなさそうなので、あまり期待していません。ただし、フジがライブドアと(主語はフジ)本気でやれば面白いものができるかもしれません。400億円が捨て金になるともったいないですから。このあたりは引き続き注目していきたいと思います。

ちなみに『公共放送としての愛』(antiECOさん)のためにニッポン放送を守ったのではないと思いますけどね…。それなら、公共放送として、ライブドアのような「胡散臭い」会社に株主と公共放送に期待してスポンサーが支払った莫大なお金を投資するのも問題でしょう。フジとニッポン放送は、株主(テレビやラジオが好きで応援する気持ちで株主になった人もいたでしょうに)に負担を押し付けて作り出した金で身内への「愛」を買ったに過ぎません(ライブドアは株主のことなんてそもそも考えていないと思われるので、語る必要もないかと…)。要するに、ライブドアフジサンケイグループも「金」で解決したという訳です。愛という名の下に。



追記(4月20日)「非戦闘地域」は、戦闘地域にあらず、と私は理解しています(国会での神学論争的な答弁に付き合うつもりはありません)。リスクはゼロにはなりません。さっきまで平穏な地域でも、突然のテロ、事故、治安の悪化がありえることは理解しています。言葉足らずですいません。

ちなみに、私はすでに組織ジャーナリストでありませんし、フリージャーナリストでもありません。「既存メディアにはジャーナリズムがあるのだ!」などとは主張していませんし、ヘナチョコ「便所の落書き」ブロガーですから「範」を示すべき立場でもありません。ただ、元記者と言う肩書きは永遠に残ります。組織ジャーナリズムへの批判や責任は引き受けなければなりません。州野さんがどのような立場の方かは存じ上げませんが、元記者としては「申し訳ありませんが、私はイラクに行けません。文句言うだけのヘナチョコ野郎です」と言うしかありません。