台風被害 その後…
台風23号で自宅が床下浸水の被害を受けてから約2週間が過ぎました。現在は、1階の一部の部屋が床下への点検、送風を続けているため使用できませんが、生活はほぼ平常どおりできています。床上浸水した知人の家はまだ風呂も入れず、不便な生活を強いられていますが、もう新聞・テレビはおろか地元の人の話題にも上らなくなってきました。豊岡も相当の被害で復旧もままならないと聞いていますがあまり詳しくわかりませんし、全島避難した三宅島などはすっかり忘れられた感があります。
中越リポート「取材の現場から 2」でB記者も書いているように台風被害も局所的でした。床上浸水して、大量の畳を捨てている家のとなりでは、のんびり洗濯物を干している人がいるという光景もありました。避難している人もいれば、コンビニやショッピングセンターでいつものように買い物を楽しむ人もいる。被災地の状況はまだら模様なのです。ネット上で「コンビニでおにぎりを20個買うマスコミ」が批判されていましたが、被災経験がある私からすれば、それはあまりに情緒的でしかありません(もちろんさまざまなマスコミ批判があるし、それを受け止めなければならないことは何度もこのブログで書いてきました)。
コンビニが開いていればそれは「ありがたい」です。パンツも靴下も買えますから。問題はコンビニやショッピングセンターで物資を買えない(たまたま財布に現金が少なかったり、非難する際にあわてていて預金通帳やカードを持ち出すのを忘れた)人をどうフォローするかです。
また、報道では避難所がクローズアップされますが、表面上は何事もなかったように暮らしていても、実際は家が使えない人もいます。避難所にいる人だけが被災者でないことは、頭の片隅に残しておいてほしいと思います。ただ、曲がりなりにも自宅で生活できるほうが、避難所生活や仮設住宅での生活よりは落ち着くし、精神面でも安心感があります。中越も今後は直接的な物資の輸送などではなく、被災者の長期的なケアを考える時期に入ってくるでしょう。
阪神大震災のとき、お金のある人は大阪のホテルで暮らしていました。そして家も立て直すことができた。しかし、お年寄りや収入のない家庭はそうはいきません。私の家は幸い床下浸水でしたが、それでも消毒や床下点検に数十万円のお金が必要になりました。中越では、テレビ映像を見ても地盤から家が崩れているような箇所もあり、復旧にはかなりの資金が必要になるでしょう。コンビニ批判のところでも触れましたが、被災地の方は言いにくいとは思いますがやはり最後はお金です。中越にとって今後最も有効な「善意」は義援金でしょう。
あとは、その義援金がどう使われるかです。阪神大震災のときは各家庭に一律で配分してしまい焼け石に水でした。マンションの住民は2重ローンに苦しむ人も多く出ました。奥尻では規模のわりに多くの義援金が集まったため、各家庭が新築や改築できました。できる限り多くの義援金が集まれば、中越で倒壊した被災者の自宅や施設再建にも役立つでしょう。