ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

ボランティアつなぎサービス「skillstock」のβ版をリリースしました


ひとり一人の得意なこと、好きなことがつながり、被災地の復興と社会を変えていく。大きな事ではなく、小さく、身近なことから。他人事ではなく、自分事に。「skillstock」のβ版はそんな想いが詰まったサービスです。
まもなく東日本大震災から一年が経ちます。震災直後からITやウェブを使った情報ボランティア活動に取り組んで来た事もあり、次に向かったアクションを考えてきました。
いま、多くの振り返りがマスメディアで行われていますが、それが終わると報道の量は減ってしまうでしょう。既に被災地支援関連の情報へのアクセスは昨年夏頃からずいぶん落ちていました。冬になりボランティアも減っています。復旧が終わり、ようやく復興の芽が出始めた被災地と、東京や大阪などとは大きな温度差があります。そして、支援活動の内容も泥かきなど大規模な人数を要する力仕事から、スキルを持った小規模なものへと変化しています。
「skillstock」は、自分たちの出来る事、好きな事を登録することで、支援活動に関わってもらうことを目指して仲間と開発しました。ボランティアをすること、社会に貢献すること、はハードルが高いと思います。なるべく気軽に、きっかけをつくっていくことが、復興につながって行くと考えています。
フェイスブックと連携していて、「教育」「情報発信」「建築・土木」「ケア・健康」「エンタメ」の5つのカテゴリーを選び、出来る事を登録すると、自分に合ったボランティア情報が表示されるという仕組みです。
3月2日にβ版サービスを開始して、約300人の登録があり、「子供達の遊び相手ができます」「絵を描くことができます」「PCのサポートができます」など多様な600近いスキルがストックされています。
開発チームは、昨年「助けあいジャパン ボランティア情報ステーション(VIS)」でデータベース構築を行ったメンバーを中心に、ポータルサイト、通信会社、広告代理店、研究者、大学生/大学院生など、業界や企業組織、世代を超えて専門的な技能を生かす「プロボノ」として、50 人が参画しています。フェイスブックグループでの議論と朝のスタバミーティングなどリアルな打ち合わせを組み合わせて開発を進めてきました。
ボランティア情報は、VIS活動を引き継いだ「ボランティアインフォ」から提供を受けています。
趣旨に賛同してゆるキャラもプロモーション活動に参加してくれています。品川区戸越銀座商店街の「戸越銀次郎」や千葉県成田市の「うなりくん」で、他にも参加してくれる予定になっています。ゆるキャラにもスキルがあり、「戸越銀次郎」は「ひとをハッピーにすることができる」、うなりくんは「誰とでも仲良くなることができる」といったスキルを登録しています。幅広い層に、気軽にスキルを登録してもらう、見本となっています。
「skillstock」の概要は、3日に日本財団ビルで行われた「NPOxIT Expo」でエンジニア高橋さんが行ったプレゼン資料をご覧下さい。


「NPOxIT Expo」参加者アンケートの結果、全体の満足度は五段階評価で平均4.61。「利用したいサービス」の第1位となりました。たくさんの反応があったとも聞いていますが、まだまだβ版として開発中です。ご意見やご要望をぜひお寄せ下さい。
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