ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

「ミドルメディア」と「メディアインフレ」

11月からスタートした日経ITの連載で『「炎上」の発火源? マスコミとブログつなぐ新メディアの台頭』という原稿を書きました。ソーシャルブックマークやソーシャルニュース、まとめサイト(ニュース)やハブブログなどを「ミドルメディア」と定義し、マスメディアとCGM(アメリカでは最近UGC=User Generated Contentという言葉が注目されているそう)の中間にあるミドルメディアの登場と存在がネット上の情報流通をどう変えているのかを自分なりにまとめてみたものです。

原稿を読んだ方から感想や指摘を頂いたので、頭の中を再整理してみました。
「メディア状況」の表ですが、日経ITのものは雑誌がマスメディアになっていますが、「雑誌はターゲットが明確だし、ミドルでは」との意見を頂いたので、変更しました。雑誌のマスというのは、週刊現代とかの週刊誌やジャンプ・マガジンなどでしょうか。

また、この表は「影響力」という切り口で考えてみたものです。左側のマスであるほど「影響力」が強く、右側は「共感力」が強いと考えています。

ちなみに、マス・ミドル・マイクロの各メディアを三角形の表にしてみましたが、CGMの登場以前はもっとも頂点にあるマスメディアしか存在していなかったわけですが、CGMの登場で三角形が大きくなりメディアインフレーション(膨張によるメディア価値の低下)が起きているわけです。このメディアインフレ(情報が多すぎて探しきれない、分からない)がミドルメディア生んだとも言えるでしょう。

さらに、これまで私の中では発信者としての観点で「低コストで表現できる時代が来た」という見方が中心だったのですが、メディアインフレは広告の側面から言えば、広告を表示できる(配信面)を無限に拡大したことになります。山手線のラッピングや車両内テレビなど以前では考えられなかったものがメディア化している上、ネットではブログやSNSの日記で個人(個人の頭の中?)もメディア化し、さらにゲームや仮想空間内広告などが登場するとなると… いったいどうなるのでしょう。

まとまれば日経ITの連載などでも書いてみたいと思います。