ガ島通信

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5・13NTTのことを話し合う会報告→新ウェブサービス開発合宿を行います

「5・13NTTのことを話し合う会」には、土曜日にもかかわらずグループ各社、元NTT、大学院生、メディア、メーカなどから15人が集まりました。15時からディスカッションをスタートさせ、飲み会になだれ込み23時すぎまで盛り上がりました。

まず、総務省の通信・放送の在り方に関する懇談会(通称竹中懇)の資料などを参考にしながら、NTTの財務状況やグループ分割・再編の歴史、懇談会の方向性、インターネットやポータルサイトの歴史についてディスカッションしました。

ちょうどソフトバンクとアップルの提携やKDDIgoogleの提携が報じられていたこともあり「ソフバン×アップルはやばい」「携帯とPCをインターネットでどう融合させるかの勝負になる(ある意味FMCだが)」「結局のところ回線(パケット?)をどう使わせるかというような発想から抜け出せていない」から、「埋もれているサービスや技術が多すぎる」「そもそもマーケティングができてない」「グループ間取引が多いこともあり、どこからお金をもらっているのかの意識が希薄」「はんこや会議が多すぎてスピードがサービスやソリューションを提供するにしても遅すぎて競争できてない」「おっさんたちがいなくなったらどうのこうの」までいろいろな話が出ました。広い話から狭い話まで、行ったり来たりしましたが、危機感は共有できたと思います。

引き続きなだれ込んだ飲み会では、「グーグルに対抗するためにどうするか」「イノベーション、変化に対応するためにどうするか」という問題提起もあったりで… なんだかんだと話していて、最終的に「自分たちでやれるところから取り掛かるしかない」→「それなら皆でウェブサービスを作ってしまえばいいじゃないか」(途中をかなりはしょっているので、飛躍している感じがあるかもしれませんが…)ということになりました。

目標は、日本のグーグルになるのではなく、グーグルを超える新たなウェブサービスを日本から、と途方もなく大きく設定してみました。

合宿の日程は6月2の夜から3・4日です。NTTグループの方だけではなく、新しいウェブサービスを作ってみたい方ならどなたでも参加できます(SE、ウェブデザイナー、マーケター、コンサルタントから、料理を作ってくれるまかないさん、ビールやおやつを買いに行ってくれるパシリ、寝そうになるSEを気合で起こす応援団まで幅広く募集します)。詳細は近くアップします。


参考のため、懇談会での議論については最近の記事や動きを下に抜粋しておきます。

総務省の通信・放送懇、NTTのアクセス部門を機能分離で一致」(10日・ロイター)

「通信・放送の在り方に関する懇談会」は9日、第11回会合を開き、NTTの今後についてアクセス部門を機能分離することで合意した。ただ、切り離した後に別の組織を作るのか、資本分離にまで踏み込むのかについては、法改正を伴うこともあり、次回以降に議論する。

これは11回会合終了後の記者会見の要旨

第1の案の現状のままでいいということはないということであります。従いまして、今日の段階で第2類型、要するにアクセス部門の機能分離、ここはまず最低限いきましょうということになりました。

とされているだけですが、松原座長は翌日自民党の委員会に出席して資本分離に踏み込んだ発言をしています。

NTTグループ資本分離を 通信・放送懇の松原座長」(11日・共同通信

竹中平蔵総務相の「通信・放送の在り方に関する懇談会」の座長を務める松原聡東洋大教授は11日、自民党の通信・放送産業高度化小委員会で、NTTグループの経営形態について、資本分離によってグループを事実上解体し、その後再統合することが望ましいとの考えを表明した。

アメリカからも竹中懇への援護射撃が。日本は外圧に弱いから… 「米、NTT中期経営戦略を「経営一体化」と批判」(14日・朝日新聞)

米国政府が総務省に対して、NTTグループが昨秋発表した中期経営戦略が「競争環境に有害になる」と懸念を伝えていたことが13日明らかになった。米政府は意見書のなかで、NTTグループ各社の間の分離が有効に機能していないと指摘。日本政府に対しては、NTTの固定電話と携帯電話の両事業を一体化することで競争を阻害することがないように求めた。

参考図書

巨大独占 NTTの宿罪

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NTT改革

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