ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

総選挙を振り返る 2

「ブログ選挙」と言われただけあって、多くのブロガーが選挙結果についてエントリーを立てています。個人的に注目したブログをいくつか紹介します。選挙結果についてはかなりの数のエントリーがあり、すべてをチェックしたわけではありませんので、オススメのブログ・エントリーがあればご紹介ください。

自民党の広報戦略を仕切った世耕弘成参議院議員のブログ「世耕日記

民主党津川祥吾氏(静岡2区)の政策担当秘書石田敏高さんのブログ「石田日記

内田樹の研究室「勝者の非情・弱者の瀰漫(びまん)

R30:マーケティング社会時評「世耕さん、福山さんに会ってきましたよ(´・ω・`)ノ

雑観練習帳「民主党が訴えるべきだったこと!?

カトラーのマーケティング言論「小泉的手法と民主党の敗因

Parsleyの「添え物は添え物らしく」「次はインテりゲンチアの再編で!

ヤースのへんしん「分かりやすく説明できない奴が馬鹿

私の友人でもある雑観練習帳氏のエントリーを見て「まっとうな意見だなー」(踊る新聞屋ー。氏も同意している模様だが…)と思う。民主党の岡田、川端、真面目、真面目路線にも比較的親和性が高いと思われます、しかし選挙に勝てるかどうかは怪しい。

内田氏は『「弱者は醜い」、「敗者には何もやるな」。これが今回の選挙を通じて小泉首相が有権者に無言のうちに告げたメッセージである。そして、この「勝者の非情」に有権者たちは魅了されたのである。』『「弱者の瀰漫」に当の「弱者」たち自身がうんざりし始めている』『日本人は鏡に映る自分の顔にむけてつばを吐きかけた』と書いています。ほとんどの人が本当は弱者であるのに、誰もが自分が勝ち組であると信じている。弱者の中からさらに弱者を作り出して自身の小さな優位性に酔う。

内田氏の指摘からすれば、雑観練習帳氏が言う民主=労働者の党というポジションを打ち出しても今回の選挙では支持されなかった可能性が高い。選挙となると労働者=労組の側面がクローズアップされる。労組こそ、資本家に対して弱い存在であると自らを主張して利益をむさぼってきた「弱者」だからです。「弱者を守れ」と主張することが多い、マスコミも弱者の強者化に手を貸している「装置」です(そして最悪なことに強者化してしまった弱者の問題点に触れることはない)。連合などの労組、マスコミの言論が今回の選挙で存在感を示せなかったのは、この小泉の作戦が成功したと言ってよいのでしょう。

確かに、弱者と言いながら強者化している人や団体をそのままにするわけにもいかないのですが、だからと言って弱者を貶めるのもどうか…。こういう中途半端が一番ダメなんでしょうね…

◆参考になる書籍を紹介しておきます◆
「弱者」とはだれか

からくり民主主義