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ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

2012Springレポート「ソーシャルゲームで世界を良くできるのか」2日間の振り返り

「Infinity Ventures Summit(IVS)2012 Spring」の2日間で最も印象に残ったのは、KNN神田敏晶さんがGREEの田中良和社長に投げかけた「GREEはインターネットを通じて世界をより良くするというミッションステートメントがあるが、ソーシャルゲームで実現できるのか?ゲーム以外で世の中よくする方法ないのか?」という質問でした。

神田さんが「会場を敵に回すかも」と前置きしたこの質問は、『GREE強さの経営』というセッション。
田中社長は「問題は解決しなければいけない」としつつ、「ソーシャルゲームが起こしているイノベーションはすごいものがある」「ゲームをダウンロードするだけで良くなった。わざわざゲームを買いに行った時間は無駄だったし、誰もが気軽にゲームができるようになった。iTunesでいつでも音楽が聞けるのは嬉しいこと」「GREESNSからゲームに取り組んでいる。ソーシャルゲームから学んで、他に生かすこともできる」と正面から回答し、熱く語ったのが印象的でした。

司会のインフィニティ・ベンチャーズLLP小野裕史さんから、セッションの最後に若い人にメッセージを聞かれ田中社長は「10代からずっとインターネット好きで、世の中変えたいと思ってきた。インターネットで世の中を変えていくけるチャンスには、なかなか出会えない。一社で変えられるものではない、多くの会社で産業や社会をかえていくための意識が必要。そういうベンチャーに成功してほしい」とも話していました。
個人的には、ソーシャルゲームGREEが取り組んでいることと、「インターネットを通じて世界をより良くする」というミッションの整合性を理解できたわけではありませんが、田中社長の思いの一端は感じることができました。
他にも、MOVIDAJAPANの孫泰蔵社長の熱さ、「Launch Pad」のレベルの高さと評価なども印象に残りました。

孫社長と藤田社長が登壇したのは『起業家・経営者が語る経営論』。孫社長は日本がシリコンバレーを超える環境を作れるとしたらという質問に「失敗をたくさんしたほうが偉い。ばんばんチャレンジして、応援する社会になれる。何回アウトになっても、何回三振しても、ホームランしか歴史に残らない。お前大振りしたねすげー、と言うようになれば、みんな若い人がめっちゃ大振りするようなカルチャーになれる」と、それに対してディー・エヌ・エーの守安功社長が「大振りだとリスクも大きいので、ギリギリまで惹きつけて素早く叩けばいい」と話していたのも企業の色がかいま見えて興味深いやり取りでした。
このセッションでは、グループ会社の運営、M&Aなど幅広い話題が展開されましたが、モデレーターのサイバーチックの藤田晋社長がスピーカーの問題意識を引き出したり、会場の参加者が興味を持つ話題に振ったりと、丁重に役割を果たしていました。

「Launch Pad」は、サービスの完成度も高く、プレゼンも面白いものがありました。「ADKセット」では白衣と空に浮かぶ魚が、「piaScore」はモーツアルトのような音楽家のコスプレ、「V-Sido(ブシドー)」は動く人形が登場するなど、工夫が凝らされていました。実は「Launch Pad」にskillstockで応募し、二次審査までは進んでいたのですが、まだまだサービスレベルも自分の姿勢も足りないと反省しました。

この「Launch Pad」には、博報堂DYメディアパートナーズドワンゴと知られた企業の参加もありましたが、ドワンゴ川上量生会長がプレゼンしている社員の横に立って、表彰式でもしっかり壇上にいてコメントしてました。会長自らが登壇するという本気度はドワンゴの勢いと強さなのでしょう。
メディアの立場からすればIVSは普段は遠い存在の経営者たちを身近に感じることができるイベントです。それぞれの企業の色や経営者の姿勢がかいま見えた貴重な2日間でした。IVSの運営スタッフの皆さまありがとうございました。
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