ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

ソーシャルメディア活用について就職活動生に話をしました

発信力の鍛え方 -ソーシャルメディア活用術」の出版がきっかけで、広告やネット業界に興味のある学生と企業を結んでいる新卒アドベンチャーのセミナーで『〜発信力を鍛えてライバルと差をつけよう!〜 新聞・インターネット業界を経験した講師が語るソーシャルメディア時代の就活法』というタイトルで話をしてきました。

キャリアについては何度か大学などでゲスト講師として話したことがあったので、就職氷河期で就職留年したことや転職したことを話した後、ソーシャルメディア活用で「今すぐできること」と「これから取り組むこと」に分けて話をしました。
今すぐできることでは、人の名前が検索される時代の情報発信の重要性、ネットの噂は残ってしまうことから、炎上するような写真や記述のチェックをすること。これから取り組むことでは、社会学者のグラノベッターが提唱した弱い絆の概念、評判と信頼を積み重ねる大切さ、師匠を見つけて弟子入りする、などソーシャルメディアは短期的なものではなく自分の分身で大切に育ててほしいことなどを話しました。
告知期間が数日と短かったにも関わらずアンテナを張って参加してくれた学生なので、ソーシャルメディアも積極的に使っている人が多いだろうと考え、テクニックよりも、時代背景や人と人とのつながりをつくるために大切なことに焦点を当てました。
皆さん前を向いて熱心に聞いてくれていたのですが、次の予定もあったので講演後にほとんど話せず会場を後にしてしまって申し訳なかったです。後日、アンケートを主催者から送っていただいたのですが評価も高く、ほっとしています。
「就活に関するアドバイスを聞きたい」や「新聞社時代のエピソードを」といったコメントもアンケートには書かれていたので、もっと細かな話を聞きたかった、という学生もいたでしょう。また、どこかで機会があればお話したいと思います。
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飲酒や不適切な行動がソーシャルメディアで判明して停学になったり、まとめサイトで話題になったり、する大学生が尽きません。個人が気軽に情報発信できる時代はここ数年で急激に実現したため、多くの大学教員や職員はその状態を理解できておらず(頭では分かっているが利用していない)、マナーやルールが分かっていません。ソーシャルメディアを使ってない教員や管理職と話すと「なんでそんな問題になりそうなことをやるのか」という話になったり、禁止すればいいという方向に向かったりします。
ですが、大学生ではソーシャルメディアは生活に溶け込み始めていて、使うことが自然な状態になっています。「大学生としてのマナーを守ってください」といった紋切りの呼びかけをしただけでは、学生も自分のこととして捉えることができません。なぜソーシャルメディアでの発信が問題となるのか、大切にする理由は何か、理解してもらう必要があると考えています。
ソーシャルメディアは武器になりますが、使い方を間違えればマイナスにも作用します。「発信力の鍛え方 -ソーシャルメディア活用術」は若手のビジネスパーソンや就職活動を控えた大学生・大学院生に向けて、教科書的に書いたものですので、今回に限らず機会があれば話をしていきたいと思います。
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