ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

新しいメディアを創る「ジャーナリストキャンプ広島2012」1日目

日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)の「ジャーナリストキャンプ広島2012」が30日広島市内で始まりました。運営に協力してもらっている山陰中央新報労組の記者や地元の中国新聞、公共団体やPR会社などから14人が参加してくれました。
本橋健さんによるワークショップ「新しいメディアを創り出す」は、新しいものを生み出すときに障壁になっている共通の前提、暗黙の了解、つまり「メディアとはこうあるべき」といった思い込みを壊すために、わざとひっくり返して考えてみるというものでした。

キャンプはJCEJ恒例の「他者紹介のワークショップ」からスタート。お互いにインタビューして、印象に残る一言で相手をポストイットに書き込んで紹介します。

次に本橋さんによる「新しいメディアを創り出すワークショップ」。あったらいいメディアを考えようと言っても、なかなか議論の取っ掛かりが見つからないグループもあります。

そこで本橋さんは「メディアの枠にとらわれないように(それはメディアではないよね、と言わない)」「どんなアイデアでもいいね!」とアドバイス。少しずつ盛り上がってきます。

アイデアが集まると、3グループの意見を、媒体、受け手、価値に整理し、各グループに「既存にない媒体とは」「情報の受け手と送り手が逆転する媒体とは」「価値や信頼の低い情報ばかりの時に必要な媒体とは」を考えて、とお題を出します。

参加者からは「発信しないメディア」「水道が情報になる(蛇口からポンジュースに発想を得て)」など色々な、そこに本橋さんから、どれくらい使う人がいるのか、その人達はいくらお金を払うのかと問いかけます。

本橋さんは、新しいメディアや理想のメディアを考える時に「これは便利です」とか「皆が使う」といった説明はよく聞くが、本当に使うのだろうか。よほどの必要性がないと使わない。誰が、どんな状況で、どうして、を具体的に想定して考える必要がある。例えば、「発信しないメディア」というのは、これまでのメディアではなかったタイプだけれど、秘密にしたいけど誰かに話したいという人が使う可能性がある。誰か喜んでくれる人がいなければ誰もお金を払わない、と締めくくりました。

夕食後は、本橋さんのワークショップを受けて、なぜ自分が新しいメディアを考えたのか、その理由について深掘りしました。相互インタビューで自分の興味を明らかにしていきました。さらに、ビジネスモデル、ソーシャルメディア活用、取材の手法と悩みという3つのテーマに別れての「夜なべ談義」が、深夜まで続きました。
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