ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

選科Bのポスター完成、受講生も募集中です

北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)の「選科B演習(サイエンス・ライティング)」のポスターが完成しました。

写真のようにCoSTEP全体の募集ポスターとともに北大内にも掲示されていますし、募集要項からPDFでダウンロードも可能となっています。

どのような方がCoSTEPに関心を持っているか、雰囲気を見ておきたかったので、12日に行われた説明会にも参加して一言挨拶をしてきました(e-Learningで視聴可能です)。

会場には大学院生の方が多いようだったので、ちょうど読んでいた日経ビジネスの「日立とニッポン 技術独善、100年目の孤独」(技術で常に選考していた日立が苦しんでいるという内容。「日本流」愚直にやり抜けと結ばれている)を紹介して、コミュニケーションの重要性を話しました。
日立は社内に博士を多く抱える企業として知られていて、返仁会(元々変人会だったそう)という社内組織もあります。けれど苦しんでいるというのはどういうことなのか。

企業活動も個人も一方的な考えの押し付けはどこかで壁に突き当たります。日立も技術者による独善(真の技術力ではなく)に陥っていたのでしょう。「良いものを作っていればいい」…その良いものとはどうなのか相対化する力、社会や市場の変化を捉える多様な視点が求められます。
ライティングも同じで、相手の気持ちを考えない文章は伝わりません。
新聞記者時代から、よく「想像力」という言葉で相手の気持ちを考えることの重要性を話してきました。取材相手、読者はどういう気持ちを持っているのか、そして社会に求められている「ニュース性」「ジャーナリズム性」はどうなのか…

ポスターには、一緒にコースを進めていく特任准教授の難波さんと北海道新聞の田中さんとともに以下のようなコメントを載せてもらいました。

マスメディアによる一方向の情報流通が終わり、ブログやSNSで誰もが情報発信できる時代になったからこそ、CoSTEPが目標に掲げる「専門家と市民の間を橋渡しする人材」が必要とされています。
ワクワクする気持ちを多くの人に伝える、共感の輪を広げるライティングを身につけたいなら、ぜひCoSTEPに参加してください。

2008年度のCoSTEPには、科学技術コミュニケーション活動の総合的な知識・スキルを修得できる本科、通学は夏期集中演習のみの選科Aがあります。選科Bはより実践的にライティングのスキルを学ぶものになっています。7回でライティングの基礎構造を押さえ、さらに合宿などによるプラスアルファも用意しています。

「ポスター効果」もあり、多くの問い合わせや応募を頂いているとのことで、とてもうれしく思っています。募集は21日までなのでライティングに関心がある方は理系・文系問わずご応募をお待ちしています。

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