ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

ブログは誰のものなのか

NHKクローズアップ現代を見た友人から「ブログって誰の為にあるの?」というメールが届きました。短いメールだけれど、とても本質的な問いだと思ったので、少し考えてみます。

番組はブログの良さと問題点をコンパクトにまとめ、取材も多岐にわたり、よく出来ていたと思いますが、クチコミやマーケティングも盛り込み、特に後半企業とブログの問題にフォーカスしたことで、ブログの面白さや本質的なものが見えにくくなってしまったのかもしれません。
ブログ=口コミ=商品が売れる、といった図式はブログが注目される理由としては分かりやすいのでしょうが、番組を見て「なんだブログって金儲け?」とか「企業に取り込まれてる?」と、思った人がいても不思議ではありません(決して、紹介されたブロガーがお金儲けをしているというのではありません。番組の作り方ではそう取られる場合もあるということです)。

友人には、ブログが盛り上がりつつあるのは分かったけれど、「で結局ブログって何のために書くの?」という疑問が残ったようです。

究極的に言えば、私にとってブログを書くのは自分の為だし、ブログは自分のものです。ブログは誰の為にあるのか、というのは「なぜ話すのか」「なぜ生きているのか」という問いに似ています。ブロガーといっても、人には違いない。だから、ブログは書いている人そのもの、もしくは分身みたいなものだと思います。

人生も誰のためのものなのかわからなくなっている人もいます。会社とか、お金儲けとか、権力とか、よくわからないけれど、そういうものにとらわれている人もいるわけで…。ブログで人をけなしてばかりの人は、ストレスがたまっているのかもしれないし、リアルでも他人の足を引っ張ってばかりなのかもしれない。ブログでリアルと別人格を上手に演出している人は、会社や家庭で別の顔ができる器用な人なんでしょう。

その、どれが良くて、どれが悪いということではありません。

それに、表現するということは、誰かを傷つけることもある孤独な作業です。それは生きているということも同じ。ただ、私は、誰かと出会いたいし、何か面白いことをしたいし、自分の想いを届けたい(天邪鬼で、飽きっぽいので、気がすめば書くのをぱったりやめてしまうかもしれませんが…)。ブログを書くのは時々辛いけれど、「ブログをやっていて良かったな」と思える瞬間があるから、やっぱり楽しい。そんな感じです。

これは私の考えで、押し付けるつもりはありません。多分、答えは人の数だけあるのでしょうから。


追伸 Parsleyさんが指摘するように「ブロガーになる」よりも「ブログで何をするか」なのでしょうね。