ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

新聞の危機本の出版が相次ぐ

新聞社―破綻したビジネスモデル (新潮新書)

新聞の時代錯誤―朽ちる第四権力

特命転勤―毎日新聞を救え!

ネット時代 10年後、新聞とテレビはこうなる

近くの紀伊国屋をのぞいたら「新聞の危機本」コーナーが出来ていました。

毎日新聞の常務だった河内孝氏が書いた「新聞社―破綻したビジネスモデル」、同じく元毎日新聞の吉原勇氏の「特命転勤―毎日新聞を救え!」、電通総研の前社長藤原治氏の「ネット時代10年後、新聞とテレビはこうなる」、元日経新聞記者の大塚将司氏による「新聞の時代錯誤―朽ちる第四権力」をまとめ買い。
まず最初に読んだのは日経新聞が広告を拒否したとして話題となった「新聞の時代錯誤」。鶴田卓彦元社長の責任を問うた「日経新聞の黒い霧」で、事象に対して非常に執念深く迫っていたので、期待していたのですが正直がっかりな内容。新聞社内の権力闘争やジャーナリズムの根性論連発で途中で嫌になりました。

Parsleyさんがブログの書評で書かれている『新聞"人"の時代錯誤』とは言いえて妙。新聞社(だけではないのでしょうが)の「ジャーナリズム」が危機なのは、幹部のダメぶりや新聞社員の気持ちだけではなく、OJTの崩壊、読者や取材先の意識変化、販売や広告、再販制度といった経営的な側面など多岐にわたっているからです。

それにしても、これまで新聞の危機に関する本と言えば大塚氏のように編集、ジャーナリズムからのアプローチがほとんどだったのですが、経営レベルもしくは経営問題にかかわったことのある人からの「内部告発」的な本が出始めたことに時代の変化を感じざるを得ません。

残る本の書評は後日アップする予定です。