ドラッカーがなくなったというニュースが流れ、多くのブロガーがドラッカーについて書き、会社の近くにある紀伊国屋書店でも「ドラッカーコーナー」が設置されています。ずいぶん以前に「禁断の書復刊」という帯に誘われ、帯買い(表紙買い?、CDはジャケ買いだが、本の場合は何て言うのだ?)していた本を取り出して読んでみました。

- 作者: P.F.ドラッカー,上田惇生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2005/01/29
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (22件) を見る
これまで、経済学や経営学にほとんど興味を持っていなかったので、なかなか面白く読めました。印象的なフレーズや文章を抜き出すと…(一部変更及び省略)
・働くものに人間としての尊厳を与えることである
・労使関係が賃金問題を中心に行われることは問題
・組織にとってリーダーを育てることのほうが製品を効率よく低コストで生産することよりも重要
・人事がどう見られているかについて考えたことのある経営幹部はほとんどいない、人事には真摯に取り組んでいると言うが、平の人たちは贔屓と偶然で行われていると言う
・年功序列では機会の平等は実現できないが、合理的でもなければ、理解しうるものでもない昇進システムよりは年功序列を選ぶ
書かれたのが1946年で、アメリカとソ連の対立による影響を論じていたり、プロレタリア化などという古めかしい言葉が使われていますが、論じられている本質的な問題はなんら変化していないように思えます。
ビジネスマネージメントや成果主義(富士通では終わったかもしれませんが、実はマスコミなど、遅れに遅れた業界ではこれから成果主義の波がくるらしいw)がもてはやされていますが、言葉やフレームワークだけが一人歩きしている部分も多い。何のためのビジネスマネージメントなのか、成果主義なのか… いつの間にか手段が目的になってしまうことが多いのは、日本もアメリカもそう変わらないのでしょう。