福島県白河市の魅力を紹介した冊子「ちらり、しらかわ」が出来ました
法政大学社会学部藤代ゼミでは、福島県白河市の魅力を紹介した冊子「ちらり、しらかわ」を制作しました。
ゼミでは2018年の夏、JR白河駅近くの「コミュニティ・カフェ EMANON」を拠点に夏合宿を行い、地域の取材や高校生を交えたワークショップなどを行いました。
ゼミ生は、合宿以降も何度か白河に通い、街を歩き、話をして、「しらかわらしさ」とは何かを考えました。そして、話すと「ちらり」と見える面白さに注目し、文章をまとめて冊子を作り上げました。
ゼミ生からのメッセージです。
東京から来た大学生がしらかわを巡って、出会った人たちから「ちらり」と見えたしらかわの、興味深い!と思ったものを集めました。普段当たり前すぎて外の人に言わなかったり、何処かで見たことのあるほんのちょっとした、しらかわのエピソードです。是非しらかわの方々に読んでいただきたいです。 −−藤代ゼミ生一同
完成した冊子をゼミ生が取材先などをまわり手渡ししてきました。
合宿中、よく食べに行ったパン屋さんにも置いて頂きました。
冊子は「EMANON」や取材にご協力頂いた店舗や公共施設に置いてあります。なお、この冊子は「平成30年度 うつくしまふくしま基金」の助成を受けて制作しています。関係者の皆様に感謝申し上げます。
法政大学社会学部でGoogle「ニュースラボ」フェローによる講義が行われました
法政大学社会学部メディア社会学科では、10月17日・18日にGoogleニュースラボのフェローである井上さんによる講義が行われました。メ社入門Ⅱの受講者は「基礎編」を、コンピュータ入門やウェブジャーナリズム実習の受講者は「ファクトチェック編」に取り組みました。
「基礎編」では、検索、地図、トレンド、アースなど、Googleの各サービスの使い方が紹介されました。また、これらのサービスを使った報道事例も紹介がありました。
- 現地の写真や動画などとGoogleアースを組み合わせてラスベガスで起きた乱射事件を報じたニューヨーク・タイムズの「Reporting on Las Vegas, Pixel by Pixel 」
- こちらもGoogleアースを使い殺害現場を特定したBBCの「Cameroon: Anatomy of a Killing - Documentary - BBC Africa Eye」 。当初、カメルーン当局は、ソーシャルメディア上で広がる映像を「フェイクニュース」だと否定しましたが、BBCは映像とGoogleアースを見比べ、山の稜線や建物、木などの一致点を確認し、殺害現場を特定しました。
また、井上さんが西日本新聞の記者時代に取り組んだテクノロジーを使った報道事例の紹介もありました。
メ社入門Ⅱの受講者は1年生約200人。サービスの紹介だけでなく、スマートフォンを使ったファイル指定などのオプションや画像検索の実践を行いました。
法政大学社会学部は、Googleニュースラボが世界で展開している「Google News Initiative University Network」に国内で初めて加わりました。今後も講義などで連携していきます。
「伝わるタイトルを作ろう」11月4日高校生向けワークショップを新聞博物館で開催します
藤代ゼミでは11月4日、横浜のニュースパーク(日本新聞博物館)で、高校生向けのワークショップ「伝わるタイトルを作ろう」を開催します。
本ワークショップは、ゼミで取り組んで来たニュースの拡散や地域発信の実践から着想したものです。カードを使ったゲーム形式で、誰もが気軽に、伝える難しさや、楽しさを考えることができる工夫がされています。企画、進行はゼミ生が実施します。
タイトル:「伝わるタイトルを作ろう」何かを伝えたい高校生のためのワークショップ
概要:横浜をテーマに、カードを使いゲーム形式で伝えたいことを考えます。
日時:2018年11月4日13時30分〜14時30分(開場13時)
会場:ニュースパーク(日本新聞博物館)2階イベントルーム
対象:高校生
費用:ワークショップは無料ですが、入館料(200円)が必要です。
主催:法政大学社会学部藤代裕之研究室
参加者全員に、ニュースパークオリジナルバッグのプレゼントがあります。
法政大学社会学部が「Google News Initiative University Network」に国内で初めて加わりました
Google News Lab(グーグルニュースラボ)が世界で展開している「Google News Initiative University Network」に国内で初めて法政大学社会学部が加わりました。
ネットワークは次世代のジャーナリストをトレーニングするために2016年に発足し、世界で約300の大学が参加しています。最初の取り組みとして、10月にメディア社会学科の1年生を対象にグーグルニュースラボのフェローによるトレーニング(基礎編)を実施します。
ネットワークは2016年にアメリカ、メキシコ、イギリス、ドイツなど、49のジャーナリズムスクール(大学院)や大学でスタート。ジャーナリズムやメディアを学ぶ大学生や教員が、検索やビジュアル化など、ジャーナリズムに活用できるデジタルスキルのトレーニングと教材の提供を行っています。アジア地域では、香港やインドなどの大学が加盟していましたが、日本は未加盟でした。
今夏(2018年)に、ジャーナリズムとマス・コミュニケーション教育の学会「Association of Educators in Journalism and Mass Communication」で以下の教育プログラムを発表しています。
- Safety & Security(安全性とセキュリティ) — How to protect yourself and your news organization from hacking, digital attacks and censorship while using Google tools.
- Verification and Fact Checking(ベーリフィケーションとファクトチェッキング) — How to verify the authenticity and accuracy of images, videos and reports that you find in social media and elsewhere online.
- Search & Data Acquisition (検索とデータ収集)— How to use Search and other Google tools more effectively, especially to find data you need to tell more compelling stories.
社会学部ではメディア社会学科(メ社)の授業やゼミを中心に、上記のトレーニングを実施していきます。メ社は、2018年度から新カリキュラムに移行し、「表現」「分析」「設計」の3コースを設置し、プログラミング受講を推奨するなど、新たなメディア環境に対応した取り組みを進めています。トレーニング(基礎編)は下記メ社入門Ⅱの授業内で実施予定です。
メディアによる社会課題解決を学ぶ「法政メ社入門Ⅱ」2018
ソーシャルメディアの登場により、総メディア社会が出現したことで、何のために伝えるのかが問われるようになりました。メディアは社会問題を解決するための一つのツールに過ぎません。
このような問題意識を踏まえ、法政大学社会学部が2018年度から新カリキュラムに移行するに伴い、メディアによる社会課題解決を学ぶ授業を立ち上げました。社会を捉え、課題を発見し、解決策を考え、そして伝える。多様なアプローチを学ぶことができるように、多彩なゲストを迎えて授業を展開します。
講義名は「メディア社会入門Ⅱ」、1年生の選択必修科目です。なお、本科目はローテーションであり継続して藤代が担当するかは不明です。
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
- この授業では本学科が掲げている「メディアによる社会の課題解決」の方法を学びます。メディアによる社会の課題解決は、ジャーナリズムとは限りません、広告やネットなどにも、多彩な方法が存在しています。前半は、方法について事例を中心に学び、後半はグループでメディアによる社会課題解決の企画を立案することで、理解を深めます。
【到達目標】
- メディアによる社会の課題解決の方法を知り、自らの関心に基づいて企画を立案することができるようになる。
【ゲスト講師】
- 10/4:ジャーナリズム 與那覇 里子(沖縄タイムス)大学時代にギャル研究を行い、ギャルイベントが出来ると新聞社に就職。沖縄戦の避難経路を取材してまとめた「沖縄戦デジタルアーカイブ」、白黒写真をAIでカラー化する記憶の解凍プロジェクトなどを担当。デジタルを活用したジャーナリズムと地域社会の関係を考えます。
- 10/11:クリエイティブ 小川 丈人(1→10design)パラスポーツをテクノロジーを活用し、人々に理解してもらう車椅子型VRレーサーやサイバーボッチャなどを開発する1→10のデジタルマーケティング部門を率いる。メディアと身体が拡張し続ける中で、企業と消費者のコミュニケーション設計の未来について考えます。
- 10/25:おかもちカブ 小石 克(小城ファシリテーション研究会)新聞社のデザイナーの傍ら、出前に使う食器を入れる「おかもち」を取り付けたカブ「マルシン出前機1型」を制作。地域の集まりでコーヒーを振る舞い、地域の困りごとの共有やアイデア出しの促進を行う。ファシリテーションによる地域課題の解決について考えます。
- 11/1:広告 並河 進(電通デジタル)手洗いで子どもの健康を守る「世界手洗いの日」や検索で東日本大震災の支援活動に寄付を届ける「Search for 3.11 検索は応援になる」など、社会に貢献する活動を支援・促進するソーシャルグッドな広告を手がける。広告は社会のために何ができるのかを考えます。
- 11/8:アートとテクノロジー 宮内 俊樹(Yahoo! Japan)防災、ボランティア、キッズなどのサービスを担当。講義ではリンツで開催された「アルスエレクトロニカ2018」をケースに、アート作品が持つジャーナリズム性や人工知能や人工生命といったテクノロジーと社会の関係を考えます。
参考:法政大学社会学部は理念・目的に「社会課題の解決」を掲げています。他大学と異なる少し変わったパンフレットづくりの背景については下記の記事をご覧ください。
福島県白河市で2018年のゼミ夏合宿を行いました
藤代ゼミの6回目の夏合宿を福島県白河市で行いました。JR白河駅近くの「コミュニティ・カフェ EMANON」を拠点に、地域の取材や高校生を交えたワークショップなどを行いました。
夏合宿のきっかけは、カフェを運営する一般社団法人「未来の準備室」の青砥和希理事長に、東京でばったり再開したこと。カフェは、高校生が放課後に、勉強したり、おしゃべりしたり、する「場」になっており、合宿で大学生と交流することで、高校生たちの刺激になるのでは、という話になりました。
四国・徳島の出身者として、東京の大学生に地方を見て、経験してもらうことに大きな意味があると考え、毎年ゼミの夏合宿は地方で実施しています(島根、足利などで実施)。青砥さんにお願いし、活動の一部を公益信託うつくしま基金による助成を受けることで、7泊8日という長い滞在が実現しました。
初日はJR富岡駅に集合し、福島原発の廃炉作業を見学しました。そこから白河に移動です。あって良かった青春18きっぷ。
地方都市の活動に必要な自転車。今回の夏合宿のためにNPO法人「表郷ボランティアネットワーク」から自転車をお借りしました。しばらく使っていなかったという自転車を整備するゼミ生。おかげでスムーズな活動ができました。
地域を取材する高校生グループ「裏庭編集部」の編集会議に参加して交流するゼミ生。
カフェEMANONは高校生だけでなく、地域で活動する色々な人が訪れる「交差点」のようなところです。古殿町の地域おこし協力隊の方が、地域の野菜を持ってきてサンドイッチにして食べるイベントがありました。
ゼミOGが遊びに来た夜はディスカッション。的確なコメントあり、笑いあり。というか概ね笑いだったような…
合宿では、タイトルづくりを通して、伝えたいことを正確に伝えることの難しさや大切さを学ぶ「タイトルで伝える、白河のこと」というワークショップを地域の方向け、高校生向けに2回行いました。
第二回目「タイトルで伝える、白河のこと」無事終了致しました!
— 法政大学社会学部藤代ゼミ (@fujisirolab) August 5, 2018
ワークを通して、私たちが大切にしている、本当に伝えたいことを正確に伝えるとはどういうことなのか、参加した高校生の皆様が気づいて下さったように感じて、とても嬉しかったです。ご参加頂いた皆様、本当にありがとうございました。 pic.twitter.com/Nj8HmlaxSs
白河市長の鈴木和夫さんとランチをする機会があったのですが、その際にもワークショップを少し体験して頂きました。「難しいなぁ」と悩みつつ真剣に取り組む市長さんと、職員さん。
1週間にわたる滞在で、高校生だけでなく、NPO、行政、地域おこし協力隊、街の人々と多様な交流を行うことができました。ゼミでは引き続き白河を訪れ、高校生と一緒に白河を紹介する冊子を制作する予定です。
立教大学経営学部「ウェルカムキャンプ」の見学に行ってきました(ただし1日目の午前中だけ…
ユニークな教育プログラムを行っていることで評価を高めている立教大学経営学部。以前から雑誌やネットの記事で注目してたのですが、東京大学から同学部に移られた中原淳さんのブログで新入生対象の合宿ウェルカムキャンプの見学を募集していることを知り、1日目の午前中だけですが、行ってまいりました。
会場はお台場のビッグサイト。新入生、運営を支える学生スタッフ、教職員など、約400人で埋まる会議室は、賑やかな中にも少し緊張感がある雰囲気です。キャンプは2日間行われます。
見学者のアテンドは学生スタッフが担当、テキパキと今日のスケジュールや注意点を説明してくれます。
学部長の挨拶に次いで中原さんから
「リーダーシップは個人の資質ではなく学べるもの。立教型リーダーシップは①皆で決めた共通の目標に向かって②よい影響力を与え合って向かう状態のこと。学ぶことは、自分を変えること。社会をよき方向に変えること。一歩前に踏み出す勇気を、私たちはサポートします」
との呼び掛けがありました。このキャンプは、同学部のBLP(ビジネスリーダーシッププログラム)の1年次のBL0のキックオフ的な位置づけ。BLPは1年次から3年次まで、プロジェクトとスキルを交互に学んでいきます(図は立教リーダーシップ通信第19号3Pから)。
BL0は経営学部の必修、BL1は選択になりますが、9割が受講希望しているとのこと。
プログラムを担当している舘野泰一さんがスライドで
「一生懸命やれば必ず成長できる。本気で学ぶことがバカにされない。一緒に学ぶ良い仲間がいる」
と大切なことを話していました。こういうことを真っ直ぐ言うことを軽視しがちな教員もいますが、言わなければ伝わりません。
各教員と学生スタッフが紹介され、いよいよアイスブレイクです。
内容はあるものを盗んだシェアハウスの住人を探すというもの。ヒントをお互いに出し合いながら真相を探ります。見学者もグループを作って挑戦しましたが、なかなか難解で、思わず本気になってしまう大人げない大人たち…
提携企業であるビームスの担当者からアパレル業界の動向や自社の取り組みの説明があり、課題の提示がありました。舘野さんから採点基準が示され、 いよいよ議論に入っていきます…ということろで午前の部の見学は終わりでした。
ビームスの担当者によると、若者の考えを知るため、リーダーシップを学ぶため、の2つの理由で参加しているとのこと。そのため多くのビームスの社員がキャンプにも参加し、春学期が終わったら舘野さんによる振り返り講義もあるそうです。「相互にとって良いプログラム」と高く評価していました。
BLPには学生も深く関わっています。各クラスにはSA(スチューデントアシスタント)が1人配置され教員とペアで授業を進めます。各クラスにはメンターも1名配置され、受講生をサポート。CA(コースアシスタント)は、2クラスに1名、SAを支援しています。授業後には学生スタッフと教員が話し合いの場を持ち、改善をしていくそうです。
たった半日ですがとても印象的だったのは学生スタッフの頑張りです。「学びの楽しさを伝えたい」「カッコいいから自分もやりたい」「悔しかったり、うまく行かなかったり、した経験を支えたい」と志望動機を語ってくれました。スタッフになるには試験があるそうで、倍率も高いとのこと。みんないいを顔してました。
これだけ手厚いプログラムは教職員の負担も相当のものでしょう。毎年このような素晴らしい場を作り上げている教職員、そして学生スタッフ、それを支える企業の皆さんに敬意を評します。そして見学の機会を頂きありがとうございました。来年度は1日参加するぞ!
自分が所属している法政大学社会学部は今年からカリキュラム変更を行いましたが、ここまではまだ出来てない。どこかに、うまく取り入れることは出来ないだろうかと思いながら、ビッグサイトを後にしました。