ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

「伝わるタイトルを作ろう」11月4日高校生向けワークショップを新聞博物館で開催します

代ゼミでは11月4日、横浜のニュースパーク(日本新聞博物館)で、高校生向けのワークショップ「伝わるタイトルを作ろう」を開催します。

本ワークショップは、ゼミで取り組んで来たニュースの拡散や地域発信の実践から着想したものです。カードを使ったゲーム形式で、誰もが気軽に、伝える難しさや、楽しさを考えることができる工夫がされています。企画、進行はゼミ生が実施します。

タイトル:「伝わるタイトルを作ろう」何かを伝えたい高校生のためのワークショップ

概要:横浜をテーマに、カードを使いゲーム形式で伝えたいことを考えます。

日時:2018年11月4日13時30分〜14時30分(開場13時)

会場:ニュースパーク(日本新聞博物館)2階イベントルーム

対象:高校生

費用:ワークショップは無料ですが、入館料(200円)が必要です。

アクセス:みなとみらい線日本大通り駅」3番出口直結

主催:法政大学社会学部藤代裕之研究室

参加者全員に、ニュースパークオリジナルバッグのプレゼントがあります。

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法政大学社会学部が「Google News Initiative University Network」に国内で初めて加わりました

Google News Lab(グーグルニュースラボ)が世界で展開している「Google News Initiative University Network」に国内で初めて法政大学社会学部が加わりました。

ネットワークは次世代のジャーナリストをトレーニングするために2016年に発足し、世界で約300の大学が参加しています。最初の取り組みとして、10月にメディア社会学科の1年生を対象にグーグルニュースラボのフェローによるトレーニング(基礎編)を実施します。

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ネットワークは2016年にアメリカ、メキシコ、イギリス、ドイツなど、49のジャーナリズムスクール(大学院)や大学でスタート。ジャーナリズムやメディアを学ぶ大学生や教員が、検索やビジュアル化など、ジャーナリズムに活用できるデジタルスキルのトレーニングと教材の提供を行っています。アジア地域では、香港やインドなどの大学が加盟していましたが、日本は未加盟でした。

medium.com

 

今夏(2018年)に、ジャーナリズムとマス・コミュニケーション教育の学会「Association of Educators in Journalism and Mass Communication」で以下の教育プログラムを発表しています。

  • Safety & Security(安全性とセキュリティ) — How to protect yourself and your news organization from hacking, digital attacks and censorship while using Google tools.
  • Verification and Fact Checking(ベーリフィケーションとファクトチェッキング) — How to verify the authenticity and accuracy of images, videos and reports that you find in social media and elsewhere online.
  • Search & Data Acquisition (検索とデータ収集)— How to use Search and other Google tools more effectively, especially to find data you need to tell more compelling stories.

medium.com

社会学部ではメディア社会学科(メ社)の授業やゼミを中心に、上記のトレーニングを実施していきます。メ社は、2018年度から新カリキュラムに移行し、「表現」「分析」「設計」の3コースを設置し、プログラミング受講を推奨するなど、新たなメディア環境に対応した取り組みを進めています。トレーニング(基礎編)は下記メ社入門Ⅱの授業内で実施予定です。

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メディアによる社会課題解決を学ぶ「法政メ社入門Ⅱ」2018

ソーシャルメディアの登場により、総メディア社会が出現したことで、何のために伝えるのかが問われるようになりました。メディアは社会問題を解決するための一つのツールに過ぎません。

このような問題意識を踏まえ、法政大学社会学部が2018年度から新カリキュラムに移行するに伴い、メディアによる社会課題解決を学ぶ授業を立ち上げました。社会を捉え、課題を発見し、解決策を考え、そして伝える。多様なアプローチを学ぶことができるように、多彩なゲストを迎えて授業を展開します。

講義名は「メディア社会入門Ⅱ」、1年生の選択必修科目です。なお、本科目はローテーションであり継続して藤代が担当するかは不明です。

【授業の概要と目的(何を学ぶか)】

  • この授業では本学科が掲げている「メディアによる社会の課題解決」の方法を学びます。メディアによる社会の課題解決は、ジャーナリズムとは限りません、広告やネットなどにも、多彩な方法が存在しています。前半は、方法について事例を中心に学び、後半はグループでメディアによる社会課題解決の企画を立案することで、理解を深めます。

【到達目標】

  • メディアによる社会の課題解決の方法を知り、自らの関心に基づいて企画を立案することができるようになる。

【ゲスト講師】

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  • 10/4:ジャーナリズム 與那覇 里子(沖縄タイムス大学時代にギャル研究を行い、ギャルイベントが出来ると新聞社に就職。沖縄戦の避難経路を取材してまとめた「沖縄戦デジタルアーカイブ」、白黒写真をAIでカラー化する記憶の解凍プロジェクトなどを担当。デジタルを活用したジャーナリズムと地域社会の関係を考えます。
  • 10/11:クリエイティブ 小川 丈人(1→10design)パラスポーツをテクノロジーを活用し、人々に理解してもらう車椅子型VRレーサーやサイバーボッチャなどを開発する1→10のデジタルマーケティング部門を率いる。メディアと身体が拡張し続ける中で、企業と消費者のコミュニケーション設計の未来について考えます。
  • 10/25:おかもちカブ 小石 克(小城ファシリテーション研究会)新聞社のデザイナーの傍ら、出前に使う食器を入れる「おかもち」を取り付けたカブ「マルシン出前機1型」を制作。地域の集まりでコーヒーを振る舞い、地域の困りごとの共有やアイデア出しの促進を行う。ファシリテーションによる地域課題の解決について考えます。
  • 11/1:広告 並河 進(電通デジタル)手洗いで子どもの健康を守る「世界手洗いの日」や検索で東日本大震災の支援活動に寄付を届ける「Search for 3.11 検索は応援になる」など、社会に貢献する活動を支援・促進するソーシャルグッドな広告を手がける。広告は社会のために何ができるのかを考えます。

参考:法政大学社会学部は理念・目的に「社会課題の解決」を掲げています。他大学と異なる少し変わったパンフレットづくりの背景については下記の記事をご覧ください。

news.yahoo.co.jp

福島県白河市で2018年のゼミ夏合宿を行いました

代ゼミの6回目の夏合宿を福島県白河市で行いました。JR白河駅近くの「コミュニティ・カフェ EMANON」を拠点に、地域の取材や高校生を交えたワークショップなどを行いました。

夏合宿のきっかけは、カフェを運営する一般社団法人「未来の準備室」の青砥和希理事長に、東京でばったり再開したこと。カフェは、高校生が放課後に、勉強したり、おしゃべりしたり、する「場」になっており、合宿で大学生と交流することで、高校生たちの刺激になるのでは、という話になりました。

四国・徳島の出身者として、東京の大学生に地方を見て、経験してもらうことに大きな意味があると考え、毎年ゼミの夏合宿は地方で実施しています(島根、足利などで実施)。青砥さんにお願いし、活動の一部を公益信託うつくしま基金による助成を受けることで、7泊8日という長い滞在が実現しました。

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初日はJR富岡駅に集合し、福島原発廃炉作業を見学しました。そこから白河に移動です。あって良かった青春18きっぷ

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 地方都市の活動に必要な自転車。今回の夏合宿のためにNPO法人「表郷ボランティアネットワーク」から自転車をお借りしました。しばらく使っていなかったという自転車を整備するゼミ生。おかげでスムーズな活動ができました。

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地域を取材する高校生グループ「裏庭編集部」の編集会議に参加して交流するゼミ生。

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カフェEMANONは高校生だけでなく、地域で活動する色々な人が訪れる「交差点」のようなところです。古殿町の地域おこし協力隊の方が、地域の野菜を持ってきてサンドイッチにして食べるイベントがありました。

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ゼミOGが遊びに来た夜はディスカッション。的確なコメントあり、笑いあり。というか概ね笑いだったような…

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合宿では、タイトルづくりを通して、伝えたいことを正確に伝えることの難しさや大切さを学ぶ「タイトルで伝える、白河のこと」というワークショップを地域の方向け、高校生向けに2回行いました。

白河市長の鈴木和夫さんとランチをする機会があったのですが、その際にもワークショップを少し体験して頂きました。「難しいなぁ」と悩みつつ真剣に取り組む市長さんと、職員さん。

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1週間にわたる滞在で、高校生だけでなく、NPO、行政、地域おこし協力隊、街の人々と多様な交流を行うことができました。ゼミでは引き続き白河を訪れ、高校生と一緒に白河を紹介する冊子を制作する予定です。

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立教大学経営学部「ウェルカムキャンプ」の見学に行ってきました(ただし1日目の午前中だけ…

ユニークな教育プログラムを行っていることで評価を高めている立教大学経営学部。以前から雑誌やネットの記事で注目してたのですが、東京大学から同学部に移られた中原淳さんのブログで新入生対象の合宿ウェルカムキャンプの見学を募集していることを知り、1日目の午前中だけですが、行ってまいりました。

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会場はお台場のビッグサイト。新入生、運営を支える学生スタッフ、教職員など、約400人で埋まる会議室は、賑やかな中にも少し緊張感がある雰囲気です。キャンプは2日間行われます。

見学者のアテンドは学生スタッフが担当、テキパキと今日のスケジュールや注意点を説明してくれます。

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学部長の挨拶に次いで中原さんから

「リーダーシップは個人の資質ではなく学べるもの。立教型リーダーシップは①皆で決めた共通の目標に向かって②よい影響力を与え合って向かう状態のこと。学ぶことは、自分を変えること。社会をよき方向に変えること。一歩前に踏み出す勇気を、私たちはサポートします」

との呼び掛けがありました。このキャンプは、同学部のBLP(ビジネスリーダーシッププログラム)の1年次のBL0のキックオフ的な位置づけ。BLPは1年次から3年次まで、プロジェクトとスキルを交互に学んでいきます(図は立教リーダーシップ通信第19号3Pから)。

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BL0は経営学部の必修、BL1は選択になりますが、9割が受講希望しているとのこと。

プログラムを担当している舘野泰一さんがスライドで

「一生懸命やれば必ず成長できる。本気で学ぶことがバカにされない。一緒に学ぶ良い仲間がいる」

と大切なことを話していました。こういうことを真っ直ぐ言うことを軽視しがちな教員もいますが、言わなければ伝わりません。

各教員と学生スタッフが紹介され、いよいよアイスブレイクです。

内容はあるものを盗んだシェアハウスの住人を探すというもの。ヒントをお互いに出し合いながら真相を探ります。見学者もグループを作って挑戦しましたが、なかなか難解で、思わず本気になってしまう大人げない大人たち…

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提携企業であるビームスの担当者からアパレル業界の動向や自社の取り組みの説明があり、課題の提示がありました。舘野さんから採点基準が示され、 いよいよ議論に入っていきます…ということろで午前の部の見学は終わりでした。

ビームスの担当者によると、若者の考えを知るため、リーダーシップを学ぶため、の2つの理由で参加しているとのこと。そのため多くのビームスの社員がキャンプにも参加し、春学期が終わったら舘野さんによる振り返り講義もあるそうです。「相互にとって良いプログラム」と高く評価していました。

BLPには学生も深く関わっています。各クラスにはSA(スチューデントアシスタント)が1人配置され教員とペアで授業を進めます。各クラスにはメンターも1名配置され、受講生をサポート。CA(コースアシスタント)は、2クラスに1名、SAを支援しています。授業後には学生スタッフと教員が話し合いの場を持ち、改善をしていくそうです。

たった半日ですがとても印象的だったのは学生スタッフの頑張りです。「学びの楽しさを伝えたい」「カッコいいから自分もやりたい」「悔しかったり、うまく行かなかったり、した経験を支えたい」と志望動機を語ってくれました。スタッフになるには試験があるそうで、倍率も高いとのこと。みんないいを顔してました。

これだけ手厚いプログラムは教職員の負担も相当のものでしょう。毎年このような素晴らしい場を作り上げている教職員、そして学生スタッフ、それを支える企業の皆さんに敬意を評します。そして見学の機会を頂きありがとうございました。来年度は1日参加するぞ!

自分が所属している法政大学社会学部は今年からカリキュラム変更を行いましたが、ここまではまだ出来てない。どこかに、うまく取り入れることは出来ないだろうかと思いながら、ビッグサイトを後にしました。

そして人生はつづく

伝える仕事の楽しさと難しさ、託された「想い」をどう表現するか

ゼミ主催で「“この人だから”できる メディアの仕事 やりたいことを貫く方法・アイデア」というイベントを行いました。いま注目されている石戸諭さん、神原一光さん、野上英文さん、 與那覇里子さんに、大学生が質問するという企画でした。

「メディア業界に進むにあたり身につけておいたほうがいい技術は?」や「大学院進学や転職に至った経緯は?」といった質問にそれぞれが答えていきます。「取材相手との関係の築き方」という質問がきっかけとなり、託された「想い」をどう表現するかという話になっていきました。

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なぜ託されたのかはわからない

イベント前日3月11日に公開された東日本大震災の記事は、事前に準備していたことが「奇跡」や「美談」になっていく保育所長さんの心の内を描いたもの。司会の私は執筆した石戸さんに「なぜ、このような話を託そうとしたのだろう」と問いかけました。石戸さんの答えは「わからない」でした。

www.buzzfeed.com

以前から交流はあり、取材に行きますねという話をしていた、といいいます。取材はお昼から夜まで続き、「いろんな話を聞いていた。あんまり聞くのは苦じゃないんですよ」。「まるごと書きたい」という石戸さんは、新聞やテレビでは字数や時間の関係でマスメディアは難しいけれど、ネットなら表現が可能だと説明しました。記事は1万字近くあります。

神原さんは、自身が制作したピアニストの辻井伸行さんのドキュメンタリーでの表現について教えてくれました。

「辻井さんは普段ものすごく弾くんですが、ある時、ポーン、ポーンという感じになった。すごく苦しい中で弾いたその音を番組の大事なシーンで流すことにした。番組を見た辻井さんが大切な音を使ってくれたと言ってくれたんです」

このドキュメンタリーは神原さんのはじめての本になりました。

辻井伸行 奇跡の音色 恩師との12年間 (文春文庫)

辻井伸行 奇跡の音色 恩師との12年間 (文春文庫)

 

出会いは偶然かもしれませんが、それを大切にするからこそ託されるのかもしれません。野上さんは「仕事はやってくるものだ」と表現していました。 

伝えることの難しさ

マスメディアで仕事をしていると、無理なことを取材相手にお願いして傷つけてしまったり、聞いた話がほんの少ししか紹介できなかったり、場合によってはねじ曲がってしまうこともあります。その時の対応は、「会いに行って正直に説明する。遠い人だと手紙を書く」と共通していました。取材は一瞬ではなく、また、どこかで、と言う気持ちが必要です。

「取材相手の関係性のときに、近づきすぎる問題も話しておくべきだったかな…」

イベントが終わった後の打ち上げで、與那覇さんが残念がっていました。いくら取材相手と心が通っていても、お金や物のやり取りなどは問題になることがあり、距離感は重要です。それを聞いた野上さんが「全部伝えるのは難しいじゃないですか。記事もあれ書いたら良かったなと、いつも反省ばかりですよ」とフォローしていました。

表現は簡単ではないし、苦しいし、いつも反省ばかりだけれど、「伝わった」という瞬間のために、自分も関わっているのだなと改めて感じました。

イベント運営はゼミ生の一人がプロジェクトリーダーになって進めて来ました。朝日新聞社ジャーナリスト学校が発行する月刊誌「Journalism(ジャーナリズム)」2018年2月号」の座談会を読んで、質問を考えて申し込んでもらう条件にしていたのですが、Amazonの品切れ状態が長く続きスムーズな動線になっていませんでした。

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ゼミ生は、店頭に置いてくれている数少ない大学生協をジャーナリスト学校の方と一緒にまわったり、キャリアセンターにチラシを置いてもらうお願いをしたり、とイベントを知ってもらうために奔走しました。

自分と相手の想いが混じり合う

「イベントは表現の総合格闘技」とゼミ生には伝えました。当日の運営だけでなく、企画立案から広報、関係者との調整など、やるべきことは多岐にわたります。当然一人では難しい。自分の足で動いたら、人の輪が広がっていきます。

登壇者や参加者にとって良い場所をつくるためには、実は「こだわり」が必要です。相手の話ばかり聞いていると蛇行してしまい迷惑がかかります(なんだか話を聞くわりに何がしたいのか良くわからないイベントってありますよね)。表現は自分と相手の想いが混じり合って、いいものになっていきます。

まもなく新年度のゼミ募集が始まります。伝える仕事を目指している学生を待っています。

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メディアの仕事は面白い!大学生に読んでもらいたい月刊「Journalism」就職特集号

朝日新聞社ジャーナリスト学校が発行している月刊誌「Journalism(ジャーナリズム)」2018年2月号」は、恒例のメディア・ジャーナリスト向けの就職特集。座談会「メディアを目指す若者のための座談会」の司会を担当しました。

Journalism(ジャーナリズム)2018年 2月号

  昨年は、上智大学の水島宏明さんが各社にメディアの新たな取り組みや採用方針を聞くという内容でしたが、採用パンフレットのような会社説明的になり、司会も四苦八苦という感じでした。そこで、今年はガラッと方針を変えたいと相談を受け(「Journalism」誌はアドバイザーを務めています)、1980年代生まれの勢いがある皆さんに個人として発言してもらい、メディアって面白いぞ!というメッセージを伝える企画を岡田力編集長にお願いして作って頂きました。

座談会の出席者は、元毎日新聞でBuzzFeedJapanの記者で著書『リスクと生きる、死者と生きる』(いい本です!)が高く評価されている石戸諭さん、NHKスペシャル「AIに聞いてみた」などを手がける神原一光さん、大阪地検特捜部の証拠改ざん事件で新聞協会賞を受賞している朝日新聞記者の野上英文さん、沖縄タイムス記者で「沖縄戦デジタルアーカイブ」などを手がけて首都大学東京の大学院で学ぶ與那覇里子さん、の4人。

マスメディアは、斜陽産業であることが明確になり、メディアに面白い人が来なくなったと人事の方から聞くことも多くなりました。

2015年にこんな記事を書いたことがあるのですが、依然として学生にとってのメディアのイメージは「バラエティや女子アナといった華やかさ」にあります。そうではなく、社会の課題を捉え、世に問う仕事の面白さを伝えられないかというのが問題意識でした。

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座談会では、「マスゴミ」と揶揄されることもあるなかで、なぜ楽しそうに仕事ができるのか、仕事の意義について、率直に話し合ってもらいました。石戸さんの仕事は「ソロとパーティ」という発言から、メンターの見つけ方に広がり、上司と転職、ネットとマスメディアどっちに就職したほうがいい?、など、働くことと組織との関係についても多くの行数が割かれています。

この他にも、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんによる「写真は直接命を救えない、でも伝えられる」、産経新聞からニコニコ動画などを経て、弁護士ドットコムニュース記者の猪谷千香さんの「女子の壁を突き破ろうといつの間にやらネットの記者へ」、朝日新聞ニューヨーク支局員の金成隆一さんによる「記者17年目のルポ・トランプ王国」、ヤフーのエンジニアから石巻日日新聞の記者と石森洋史さんによる「ヤフーの技術者から地域誌記者へ」などの寄稿も大充実で、改めてメディアの仕事は面白いな!と思える特集号になっています。

マスメディアに単に憧れている人も、マスメディアにこれまで興味がなかった人にも、ぜひ読んでもらいたい特集号はAmazonで購入できます!(9日発売、予約受け付け中)→「Journalism(ジャーナリズム)」2018年2月号 

なお座談会当日、與那覇さんが1時間以上の遅刻という大物っぷりを発揮し、冒頭から疲れムードが漂ったものの、個性豊かなメンバーのぶつかり合いで、疲れを見せる編集部の皆さんを横目に2時間以上の盛り上がりとなり、「イベントをやろう」ということになり、3月12日(月曜)に座談会出席者によるイベントが行われます。

Journalism(ジャーナリズム)2018年 2月号

Journalism(ジャーナリズム)2018年 2月号