ガ島通信

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2011 Fall 京都レポート 「大切なのはレベルが合うこと」ソーシャルネットワーク&ソーシャルゲーム

Infinity Ventures Summit 2011 Fall Kyoto」に初めてやってきました。会場は京都のウェスティン都ホテル。約500人の起業家やベンチャーキャピタリストがいる中、メディア枠で参加してます。
この記事では、最初のセッション、ミクシィの笠原健治さんとバスキュールの朴正義さんによる「ソーシャル・シフト - ソーシャル・ネットワーキング・サービスはどう進化するのか?」とGREEDeNA、gloops gumi と注目の企業が揃った「ソーシャルゲーム・サバイバル - ソーシャルゲーム市場の今後の行方」の様子を紹介します。

「ソーシャル・シフト - ソーシャル・ネットワーキング・サービスはどう進化するのか?」

朴さんはスマートフォン「GALAXY」を宇宙に向かって打ち上げる「SPACE BALOON PROJECT」を紹介。

「ソーシャルはテレビや映画の体験を超えられていない。まだまだ多くの人を巻き込むことをできていないな。ネットならではのコンテンツをどこまで大きな感動を提供できるのかにチャレンジしている」
「(SPACE BALOON PROJECTでは)宇宙に打ち上げる様子をUstreamして、マイナス60度でも機能しているGALAXYタブにツイートが見える。風船が避けて、地上に落ちてくるところまで、みんなが見守っている」
「感動的なコンテンツを用意するだけでなく。リアルなソーシャルグラフを用いた感動を共有できる装置を作ることが必要」などと話していました。
笠原さんは、ツイッターやフェイスブックとのソーシャルグラフの違いについて言及。
mixiはプライベートグラフで親しい友人が中心、数十名のつながり(平均40名)、実名制(ニックネーム併用)20−30代の女性。ツイッターのニュースグラフは、有名人やインフルエンサーが中心で主に片方向、匿名も可、30代以上の男性。Facebookはパブリックグラフで仕事関係や友人が中心、150−200名のつながり。完全実名、30代以上の男性、という2枚の図を提示。

「ミクシィはツイッターと相性がいいのではないか。ユーザーにまかせつつ連携していけばいい。フェイスブック連携していくというのもあるかもしれない」と踏み込みました。内容についてはTechCrunch Japanに記事がアップされています。

朴さんは「日本のソーシャルをどうしていくのか。良い方向に行くようなデザインを考えたい。デジタルなジャーナリストにも」と熱いコメントで締めくくりました。

ソーシャルゲーム・サバイバル - ソーシャルゲーム市場の今後の行方」

セッション2は2会場に分かれましたが、話題のソーシャルゲームを選択。モデレーターの芸者東京エンターテインメントの田中泰生さんのファンタジスタぶりが発揮され、大変刺激的なセッションでした。
ゲームの継続率の話や友達をどう誘ってもらうかのインセンティブ設計、それからカードバトルが続くのか?というテーマ、そしてソーシャルグラフの話へ移っていきました。

gumiの国光宏尚さんは「大切なのはマッチング。リアル友達だとレベルが合わない場合がある」、GREEの吉田大成さんは「リアルから始まるグラフと興味から始まるグラフがある。リアルが効かないところがある。音楽などのグラフもこれからありえる」と話していました。
レベルのマッチングが大事という話は目から鱗で、ゲームだけでなく、音楽や映画といった興味でも友達や同僚と話が合わない、ということは良くあることです。だから匿名ソーシャルゲームというのではなく、GREEmobageの事例を聞いていても、CMで認知を高めて、友達から招待を受けるという流れがあるとのことで、インタレストグラフであってもリアルは関係は重要な役割を果たしているようです。
このセッションは全体的にツイート数が少なかったですが、どの発言をツイートしたらいいか悩ましいぐらい、ぶっちゃけトークで、面白かったです。Ustやニコ生、ツイッターがある時代だからこそ、IVSのようなリアルな会合は貴重になっていくと感じました。
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