ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

ITmediaニュースでの連載「現場ルポ・被災地支援とインターネット」が終了しました

助けあいジャパンのボランティア情報ステーション(VIS)の取り組みについて、書いてきたITmediaニュースでの連載が終了しました。読者の皆さんのご協力と、編集部の支援のおかげで、続けることが出来ました。ありがとうございました。
3月29日の第1回『「情報の真空状態」が続いている』から、5月27日の最終回『始めるより終わらせることのほうが難しい-持続的な活動へ』まで、2ヵ月で12本。
書き手である自分がリーダーとして取り組んでいる活動を書くというのは、第三者的な視点が求められる新聞記事などとは異なり、あまり経験がないことで、書き手として新たなチャレンジでもありました。
ジャーナリズムのひとつの役割として時代を記録するというのがあると思います。震災におけるボランティア情報はメインコンテンツではないかもしれませんが、その時の気持ちを記録しておくことで、振り返りが可能となり、今後の災害にも生きると考えています。
編集部には、不定期緊急連載(要するに原稿がいつ出るか分からないという…)に柔軟に対応していただきました。編集部の連載説明と12回のリンクを掲載しておきます。

大震災の情報源としてインターネットが活用されているが、被災地からネットで発信される情報はあまりに少ない。震災被害はこれまでの経験と想像すら超えており、ネットにおける被災地支援、情報発信も従来のノウハウが通用しにくい状況だ。
ブログ「ガ島通信」などで知られる藤代裕之さんは現在、内閣官房震災ボランティア連携室と連携している民間プロジェクト「助けあいジャパン」に関わっている。ネットを使った被災地支援の「現場」では何が起き、何に直面しているのか。ネットという手段を持つるわたしたちには何が求められているのだろうか。震災とネット、情報を考える、マスメディアには掲載されにくい「現場」からの現在進行形のルポとして、藤代さんに報告していただきました。(ITmediaニュース編集部による連載の説明)

  1. 「情報の真空状態」が続いている(震災関連の情報源としてネットが大いに活用された一方、被災地からの情報が届かない「真空状態」がいまだに続いている。ネットを活用した被災地支援に取り組む藤代裕之さんが、「現場」の状況や課題を報告する)
  2. できる範囲でやる──ボランティア情報サイトの立ち上げ(震災から数日後、開発者らの協力でボランティア情報のまとめサイトを立ち上げた際、何に留意したか)
  3. 「ありがとうと言われたいだけのボランティアは 必要としていない」Twitterやブログの告知に応じた学生ボランティアに対し、ここにも現場はあり、「東北に行くのではなくPCの前でやれることをやろう」と呼びかけた。ただ、「ありがとうと言われたいだけのボランティア」は必要ないことも伝えた)
  4. ターニングポイントになった夜(Webサービスでは当然の「データベース」の説明に難航する)
  5. チームを作る 誰がDBを作るか、プロデューサーは誰か(DBの設計・開発、ボランティア情報の収集──これらを支える「人」こそがプロジェクトの成否を握っていた)
  6. 有用性と実装スピードの両立 「とにかくこれでやらせてくれ」(ボランティア情報DBの開発者が決まらない中、霞ヶ関方面から思わぬ案件がやってきた。官僚らを交え、長い会議が始まる)
  7. データベースは5カラムで設計 学生チームが入力を始める(データベースは現地からの入力を簡単にするために5カラムというシンプルなものにすることが決まり、学生の入力ボランティアにまとめサイトとの違いを説明する)
  8. Yahoo!チームが訪ねてきた データベース情報の利用が始まる(目的はメディアを作ることではなく、ボランティア情報を多くの人に届けることだ。DBの入力が始まってから3日、Yahoo!のスタッフが訪ねてきた)
  9. ボランティア情報がない?(都内の窓口では一般ボランティアの募集情報を見つけにくい情報が続いていた。そこには、ボランティアを取り巻く構造的な課題があった)
  10. Facebookで情報を共有 学生ボランティアが支えた活動(ボランティア情報の入力から希望者への説明まで、学生ボランティアが活動を支えた。Facebookは「プロジェクトのツールとして使うと意外なほどに便利」という)
  11. 仙台駅内にボランティア情報ステーション開設 希望者が続々訪問(仙台駅内にボランティア情報ステーションを開設し、ボランティア希望者が続々と訪れている)
  12. 始めるより終わらせることのほうが難しい─持続的な活動へ(ボランティア情報データベースの利用が広がり、プロジェクトの終了が難しくなっていった。持続的な活動にシフトするため、支援先を探したものの─)

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