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ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

一般ボランティア希望者に対して受け入れ先が少ないという現状と懸念

「被災地のために何かをしたい」とボランティアを希望する人は多いのですが、一般のボランティアを受け入れたり、活動したりできる状況が、いまだに整っていません(専門的なスキルを持っている人や団体は既に活動しています)。関係者が懸念しているのは、現地が一般ボランティアが必要になる時期に関心が薄れてしまうのではないかということです。
「助けあいジャパン ボランティア情報ステーション(VIS)」では、ボランティアの情報を収集・整理して、データベースに登録、APIで提供しています(情報はYahoo!Japanの震災・復興情報ページなどで見ることができます)。
ボランティアを希望する方へ情報を提供しているので、希望者がどのような情報環境に置かれているのか調べておく必要があると考え、この週末にVISスタッフに都内のいくつかのボランティアセンターや社会福祉協議会を回ってもらいました。すべてを見たわけではありませんが、「ボランティアはありません」「登録だけは行っています」という状況ということでした。区内のNPONGOからの情報もほとんどありません。時々あるとすぐに定員オーバーで、VISで収集していても募集の一時停止は頻繁に起きています。
一方で、説明会や登録会を実施すると満員になるほどで関心は高いとのこと。先日、VISが協力をお願いした(参考・横浜でボランティア情報入力の説明会を行いました)神奈川でも、県の担当者と情報交換したところ、ボランティア登録には700人以上の参加があったもののボランティア活動はないということ。
ボランティア希望の問い合わせが多いのに、活動の場を紹介できないために板ばさみになる窓口や殺到して対応できずないため情報を出すのをやめるというところも出始めています。多くの関係者が、被災地が必要になった際にボランティア参加の盛り上がりが薄れてしまうのでないかと心配しています。
なぜボランティアが活動できる場がないのか、いくつもの理由があるのですが、被害が甚大でこれまで情報や受け入れを集約してきた自治体や社会福祉協議会の回復に時間がかかっていること、被災地の移動手段の制約や宿泊場所、食事確保が難しいこと、NPONGOも広範囲にわたる支援で都内の拠点が機能停止になっていること、などがあげられます。
現時点で、ボランティア希望者の想いを受け止めることができないというのはとても残念なのですが、現地に入った人からの情報もブログやツイッターで出るようになってきました。交通ルートが徐々にではありますがつながり、NPONGOも現地支援の体制を作りつつあり、時間が経てばボランティア情報が多くなっていくはずです。
3日にあった、災害時支援アプリ・マッシュアップ・ミーティングで、このような現状認識と説明をしたところ、仙台から来られた方に「ありがとうございます」と感謝の言葉をかけていただきました。被災地からみると都内やネットで語られているアイデアには被災状況の深刻さや時間軸のズレがあるとのこと。「皆さんの気持ちはありがたいですが、支援も種類によってタイミングがあります」とおっしゃっていました。
VISでも情報が流れる仕組みと提供のために取り組みを進めており、情報の充実に努めています。歯がゆい思いを持っている方がたくさんいることも知っていますし、私も力不足を感じる日々ですが、ボランティアをしたいという気持ちを長く持っていただけるとありがたいです。
追記:なお、この記事は現地に負担をかけずに食料やガソリンを積み込み人や物資を届け、不必要だったものは持って帰ってくるようなピンポイント型の支援を否定するものではありません。今回の災害はこれまでに経験したことがない規模で、自治体やボランティアセンターが情報をまとめることもなかなか難しいようです。現状、それぞれが工夫して支援をしていくしかありません。問題は公共交通機関を使って「行けば何とかなるはず」といった人が出たり、現地ニーズとかけ離れた支援が行われたり、することです。
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