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ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

身近な出来事から「ニュース」を見つけるトレーニング

学習院大学法学部政治学科での講義「メディアリテラシー −情報の受け手から発信者へ−」は、後期が始まっています。100人近い学生(申し込みは140人)が聴講していますが、ワークショップ形式を導入し、なるべくインタラクティブに進めています。「ワークショップという言葉を聞いた事がない」という学生もいて、手探りで、反省も多いのですが、「面白い」「楽しい」との感想もあり、聴講希望者も出てきて嬉しい限りです。
前期は、受け手としての立場を中心に、どのような情報に触れているのかやマスメディアの仕組みについて話をしましたが、後期は発信者の立場として、課題などにも取り組んでもらっています。先日は、身近な出来事から「ニュース」を見つけるということで、学校生活、通学中、家庭やアルバイトなど日常生活の中で、面白い、驚いた、変なことを写真に切り取って、タイトルと内容、何が面白いのかを提出してもらいました。

「ニュース」というのは、ふとした日常の中に埋もれているものです。それを見つけていくためには、普段から注意深く、アンテナを張り巡らしておく必要があります。。
例えば、旅行先で見つけた話題の…

  • タイトル 21歳じゃもう遅い
  • 内容 ドイツの大通りで撮った写真です
  • 何が面白いのか FOREVER21ではなくFOREVER18。「21じゃないんかい!」というツッコミを入れたくなる一枚です。21歳なんておばさんよと言わんばかりの客層でした。

ファストファッションとして注目されているFOREVER21に絡める時事性があり、大学生が年齢について「若くない」と書いているタイトルも面白いものでした。
他にも、部活の集合写真、新聞広告、街頭にあった謎の蛇口、セールで大幅値引きになったブランド品の値札、工事の看板、左利き、百貨店の垂れ幕、父親の買った花束、駅にある警察の標語、ホームの灰皿、居酒屋の店名、電気が消えているコンビニ、飼い犬、女装コンテストに出場した同級生、工事現場を照らすライト、マウスパッド、野球場の広告、タバコの自動販売機、張り紙禁止の張り紙、駅に設置された善意の傘置き、おにぎりの包装間違いなどなど。細かなところを観察している学生もいました。
講義では、課題を学生同士でレビューしました。狙いは、自分の考えや興味を第三者に論理的に説明すること、多様な視点があることを知り、視野を広げること、です。自分が面白いと思うことは、他者に説明するのは意外に難しいものです、納得させるためには根拠を示さなければいけません。また、レビューしあうことで、自分が気付いていない面白さ、にも気付くことが出来ます。
盛り上がったのは、Thanks Days Platinum(サンクスデイズ・プラチナ)という、退職する際に感謝の気持ちを込めプラチナを贈るという習慣をアピールする新聞広告。よい夫全国統一模試(ウェブにもあります)というコンテンツ、「プロポーズ・アゲイン」というキャッチコピーが、誰に対して、どのような効果があると考えられるのか、を議論しました。リサイクルショップに「天然まぐろ販売」という看板が出ている写真では、謎な組み合わせについて「売れ残りのまぐろをリサイクルしているという意味?」「リサイクルショップが実は魚屋も経営している」「お客さんを集めるため」など理由を推測していると、「近所のリサイクルショップでも果物などを売っている」という意見が。もし、生ものを扱うリサイクルショップがあるなら(生ものは引き取らないと表示しているリサイクルショップはあるが…)、背景を探ってみる価値はありそう、とアドバイスしました。

講義後のフィードバックシートには善意の傘についても、何人かが意見を書き込んでくれていました。「自分の忘れた傘が使われるのは嫌ではないのか」「善意を強調しなければいけないほど、マナーが悪いのでは」など、です。
ところで、身近なニュースの課題で、個人的に気になっているのはこれ。

  • タイトル ウルトラマン!??
  • 内容 どうやら民家の庭に住んでいるみたいである
  • 何が面白いのか なぜ一般家庭にこんなものが!? 彼のその家庭での役割は??よくみてみるとウルトラマンに出てくるキャラクターでもなさそう、彼の正体は一体!?

スガシカオの曲『正義の味方』が頭を駆け巡っております。*1
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*1:この住人?はアイアンキングだとのこと