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ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

「ブログは誰のものか?」CNETJapan読者ブログ問題に思う

日経電子版に連載している「ソーシャルメディアの歩き方」に、CNETJapanの読者ブログ問題を書きました。この連載は、企業の管理職を主なターゲットに「いまさら聞けないソーシャルメディアの基礎知識」を分かりやすく伝えていくことをコンセプトにしていますので、企業が運営方針の変更で何に注意するべきかの参考としてケースとしていますが、思うところがあり「ブログは誰のものか?」という以前の日経IT-PLUSの連載・ネット社会学っぽいタイトルと内容の記事となりました。

CNETについては運営会社が変わった際にネット社会学で「朝日新聞のCNET Japan買収は成功するか」を書き、ネットサービス運営者に既存マスメディアへの売却という「出口」が出来たことは評価したものの、朝日コムとは「弱者連合ではないか」と指摘。ネット担当の新聞社員のリテラシーや関心度によってサイトの方向性やコンテンツが大きく左右され、揺れ動いてきた過去の課題についても触れ

扱うのが同じテキストや写真とはいえ、紙とネットでは読まれ方が違う。求められる書き方やタイトルの付け方も異なり、紙の「常識」は通用しない。当然だが、違いはコンテンツだけでなく、サービスや技術、ビジネスモデルにも及ぶ。ネットを知らない新聞社員が「本気」になればなるほど、ネットの現場からすれば「迷惑」になりかねないジレンマがある。

などと、あまりうまく行かないのではないかと予想していましたが、当たっていた(理由が新聞社員の「本気」かは分かりませんが)ようです…
問題は、読者ブログが5月31日にリニューアルするため、これまでのブログは閲覧不能となる、さらにブロガーによっては実名で継続できる(そうではない人は非継続)といった内容のようですが、会社や編集部からは発表がありません。当然ですが、読者ブログでは色々な意見が出され、ツイッターなどでも意見が交わされていますが、その間も編集部は沈黙したまま。「インタラクティブ」を名乗る会社によって運営されているというのが皮肉としか思えないものでした。
ブロガーの声は、突然の方針転換メールへの戸惑いや怒り、から失望にかわり、気持ちが離れていく様子が分かります。
検索やWeb2.0の流れをいち早く日本に紹介して広めていったメディアがどうしてしまったのかという気持ちは私にもあり取材を始めたわけですが、確認のための取材依頼メールへの編集長からの返信は「取材辞退(要するに取材拒否です)」。取材を受けて頂けなかったところにジャーナリストとしての力不足もあったでしょうが

藤代様に取材していただくのは大変光栄なことでありますが、今回は辞退させていただきたいと思います。(一部抜粋)

というメールの文面を見てとても残念な気持ちになりました。

記事には読者ブロガー、朝之丞のTry and Tested「CNET 読者ブログを中心とした4年間」から、「夢を見ているような4年間でした」を取り上げさせてもらいました。CNETへの熱い思いが溢れた朝之丞さんのブログも閲覧不能になるようです。読者ブロガーはそのメディアのファン。ソーシャルメディアは完成したコンテンツを一方的に押し付ける既存メディアとは違い、ユーザーによって欠けたピースを埋めてもらって初めて成立します。ファンをないがしろにするようなメディアに将来はないでしょう。