ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

学習院大学でメディアリテラシーの講義を担当します

今年度から学習院大学法学部政治学科で「メディアリテラシー −情報の受け手から発信者へ−」を担当することになりました。
前期ではソーシャルメディアも踏まえた変化するメディア環境を概論的に、後期では情報発信するための実践的な手法について学ぶものです。2008年度から担当した北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)の「サイエンス・ライティング」での経験も生かして、受講生を巻き込み、参加できるように工夫していきたいと思います。

シラバスに書いた「授業の目的」はこちらです。

インターネットの登場によって誰もが情報発信できるメディア環境が生まれています。多くの企業や団体がホームページを持ち、個人もブログやSNSを利用するようになりました。新聞やテレビといったマスメディアの記者、広告代理店のようなメディア企業の社員だけでなく、企業、団体(公務員や大学)、NPOから趣味の活動まで、あらゆるシーンで情報発信のスキルが求められるようになっています。本講義では、情報の発信者、担い手としての基礎的な知識とスキルを身につけることを目指します。

講義は学習院だけでなく、学習院女子・日本女子・立教・早稲田大生が単位互換できる「f-Campus」の対象となっていますので、他大学の方も関心があればご参加ください。登録は4月5日(月)午前9時30分までとのこと。
情報の文明学 (中公文庫)
なお、前期の参考文献は、梅棹忠夫情報の文明学』(中央公論新社)、佐藤卓己メディア社会―現代を読み解く視点』(岩波書店)を挙げています。
大学生でも買いやすい(アマゾンでは中古も安いです)ということで文庫にしましたが、どちらか一冊とすれば情報の文明学をおすすめします。情報産業という言葉の名づけ親としても知られる梅棹さんの論文を集めたものですが、「情報は、しばしば提供する側が金を出すのである」「情報の値段はお布施のようなもの」という指摘は話題のFREE(フリー)よりも踏み込んだ本質的なもので、古さを感じさせません。
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