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ガ島通信

メディアとジャーナリズムの未来を追いかける

子育てネットワーク「ぴっぴ」とライティングワークショップを行いました

スイッチオンPJ

ジャーナリスト同士が、メディアや組織を超えて切磋琢磨できる「場」をつくるために活動している「スイッチオンプロジェクト」が、静岡県浜松市NPO法人「はままつ子育てネットワークぴっぴ」とライティングワークショップを行いました。
ぴっぴ理事長の原田さんと研究会(成果は「地域メディアが地域を変える」にまとめられています)でご一緒したのが縁となりコラボレーションが実現。スイッチオンPJからは、デスクとして研究会仲間の河北新報・寺島さんとぴっぴ理事でもある東海大学・河井先生、学生運営5人が参加しました。

ぴっぴは、日経地域情報化大賞や総務省「u-Japanベストプラクティス2009」の地域活性化部門賞も受賞していて、地域で積極的な活動を行ってるだけに、受講者にはスタッフだけでなく、県や市の職員、ライター、ウェブ制作者、元新聞記者のママさんなど、問題意識の高い方が20人集まり、学生運営も緊張気味でした。
ワークショップは、スイッチオンプロジェクトの開発チームが中心となって考えた、子育て支援を題材にして、伝わる文章を書くために必要な多様な視点を学ぶプログラムです。全体の進行を私が、二つのアクティビティを学生が、寺島さんと河井先生がグループディスカッションのアドバイスや文章指導を担当しました。
ワークショップの後半はやや難しい課題が設定されたこともあり、参加者の皆さんには戸惑いもあったようですが、三時間のワークショップの最後に、それぞれの言葉でプログラムが想定した「学び」を表現してくれました。原田さんからは「子育てから遠い人でも考えるチャンスを与えてくれました」とメールを頂きましたが、まだまだ課題と反省が多いワークショップでした。より良いプログラムにするために、アンケートの結果やフィードバックを分析して改善していく予定です。
ところで、なぜ子育てNPOとコラボレーションするのか不思議に思われるかもしれませんが、スイッチオンではジャーナリストを幅広くとらえています。子育て情報を伝えるためにウェブサイトを持ち情報発信し、イベントや講座も行っているぴっぴは、地域のメディアを担っている実績もあります。何かを伝える、表現する仲間として、私もデスクもワークショップから多くの学びを得ることが出来ました。ジャーナリストとは、新聞社やテレビ局といった既存マスメディアの人だけではない、と位置付けているだけに、ぴっぴとのコラボレーションが実現したのは大きな意味があったと思います。
貴重な機会を与えてくださった原田さん始めぴっぴのスタッフの皆さん、ワークショップを共に作って頂いた参加者の皆さんに感謝します。ありがとうございました。
追記:ぴっぴの運営、寺島さん、学生運営、それぞれのブログ・SNSでワークショップの様子が紹介されています。

「書くこと」「伝えること」に関して、教室や講座といった形で講師からテクニックを学ぶ場は既にいくつもあるのでしょうが、このように「伝える」姿勢について本質的に学びあう場づくりは、まったく新しく、オリジナリティのある試みだと思います。

「当事者と他者の間の立場・視点の移動を体験する」という今回のWSは、私にとっても興味深く示唆に富むものでした。「絶対的他者」である新聞記者の立場から、当事者との壁や溝をどう越えて、「つながる場」をつくれるか?−は私の日ごろ考えるテーマでもあったからです。

支援が必要な側が一方的に売り込んだり訴えたりしても、相手はなかなか動かないものです。相手もまたさまざま事情があり、なにがしかのメリットも考えたいからです。
「なぜ分かってくれない?!」ではなくて、相手の側に本気でなってみての議論の土俵作りを試みることで、横たわる障害は何か、課題は何か、も立体的に浮かび、そこにどんな橋を架ける提案をすればよいか、が見えてくる−。
議論が盛り上がった参加者の方々も、その面白さを共有してくれたようです。

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